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記事一覧
サム・フォールズ『THE ONE THING THAT MADE US BEAUTIFUL』/目は旅をする083(ニューネイチャー)
サム・フォールズ『THE ONE THING THAT MADE US BEAUTIFUL』 (G/P+abp刊) 彼は野外で、感光溶剤を染み込ませた布のキャンバスを野っ原に広げて、その上に、植物の花や葉、茎や蔓を配置して、長い特には、1年間も放置したままにする。大型の日光写真と言っても良いだろう。最近では、布の上に置いた植物の上から顔料をちらし、それが幾層にもなった美しいレイヤーからなる「絵画」や、陶板にも発展させているが、基本的には写真の考えの発展形態と言ってもよい。
SHIGERU ONISHI 『A METAMATHEMATICAL PROPOSITION』/目は旅をする079(写真の未来形)
SHIGERU ONISHI『A METAMATHEMATICAL PROPOSITION』 (STEIDEL 刊) 大西茂(1928-1994)は、岡山に生まれ北海道大学理学部数学科で博士課程をへて研究室に所属して、「超無限」を研究した。それど並行し、写真作品を作り続け、後年には墨象表現へと発展させた特異なアーティストである。 アヴァンギャルド芸術、実験写真と便宜的に分類されるかもしれない。 瀧口修造は早くから大西を評価したし、また、具体美術協会をサポートしたミシェル
ジョセフ・クーデルカ「Josef Koudelka. IKONAR: Archival Constellations」/目は旅をする066(人間の秘密)
ジョセフ・クーデルカ 「Josef Koudelka. IKONAR: Archival Constellations」 (Photo Elysée / Les Éditions Noir sur Blanc) 最初に好きになった写真家はジョセフ・クーデルカだった。そして、その気持ちは今も変わらない。 ロベール・デルピールが編集した写真集シリーズ「Photo Poche」で買ったのもクーデルカが最初だったし、いや、その前に、中学2年生の時にソ連のチェコ侵攻があり、なぜか衝撃
安部公房写真展 Kobo Abe as Photographerカタログ『安部公房全集026』(新潮社刊)/目は旅をする065(都市と写真)
安部公房写真展 Kobo Abe as Photographerカタログ(ウイルデンスタイン東京刊)『安部公房全集026』(新潮社刊) 安部公房は、1993年ちょうど30年前に68歳で急死した。1924年生まれだから、来年生誕100年ということになる。 だからと言って僕には過去の人ではまるでない。彼が書いた小説やインタビュー、戯曲などを読むと、僕にとり彼は最も刺激的で、「存在の新しいモデル」なのだ。だから、全く死んだ感じがない。 今でこそ、村上春樹や多和田葉子がノーベル文
志賀理江子 東京都現代美術館におけるTCAA受賞記念展「さばかれえぬ私へ」モノグラフ『SHIGA Lieko』/目は旅をする064
志賀理江子 東京都現代美術館におけるTCAA受賞記念展「さばかれえぬ私へ」モノグラフ『SHIGA Lieko』(公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館トーキョーアーツアンドスペース事業課発行) 展覧会のフライヤーの解説にはこう書かれていた。 「第3回受賞者の志賀理江子と竹内公太による本展には、「さばかれえぬ私へ / Waiting for the Wind」という言葉を冠しました。この言葉は、TCAA授賞式から始まった志賀と竹内の対話から生み出された、いわば本展で