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アート思考・後藤繁雄の一日一微発見

「一日一微発見」というのは、僕が師匠だと思っている文化人類学者、故・岩田慶治が日々やっていたこと。 僕はそこからヒントをもらって、もう15年ぐらい前だけど、ネットで日々連載してい…
編集者・アートプロデューサー・京都造形芸術大学教授/後藤繁雄です。 アートや編集のこと、思考、アイ…
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記事一覧

コンテンポラリーアートは今、確実に「庭とアート」に向かっている/一日一微発見459

95才の草間彌生や91才のオノヨーコをイメージするとわかりやすいと思うが、コンテンポラリーア…

100〜
割引あり

再訪モンテ・ヴェリタ。ハラルド・ゼーマン、魂をキュレーションする/一日一微458

8年ぶりにハラルド・ゼーマンによるキュレーション展示が残る「アートの聖地」モンテ・ヴェリ…

200

バーゼル美術館でのアフリカ具象絵画展で感じた大きな転換/一日一微発見457

僕はまだアフリカには足を踏み入れたことはない(オーストラリアもない)。 90年代の初めに、写…

100〜
割引あり

ローザンヌでのシュルレアリスム展の迷宮を、ベンヤミンと旅する/一日一微発見456

ちょうど昼の12時頃に、ジュネーブに着いた。駅前のホテルにチェックイン。 今回の旅最終日は…

100〜
割引あり

全ての生活は旅である/一日一微発見455

閑話休題! 今、リヨン駅のスタバにいてこれを書いている。 きのうの午后にアルルから列車で…

200

抽象画の強度・衰弱・再生をめぐって。アカデミアのデ・クーニング/一日一微発見454

ヴェネツィア・ビエンナーレのタイミングでいくつかの美術館は力を入れた企画を行う。なかでも…

200

ピエール・ユイグの新作「Liminal」についてのラフ・スケッチ/一日一微発見453

人間は一日の1/3か1/4の時間は目を閉じて闇の中にいる。しかし、それは決して死んでいるわけではない。睡眠の間も体の代謝も、脳の働きも決して停止していない。人生全体の1/3か1/4という大きな部分がそのような時空に属している。 プンタ・デラ・ドガーナで行なわれているピエール・ユイグの大規模な個展「Liminal」は入ったとたん、まっくらだが違和感はなかった。ああ、これは、脳の中のような世界なんだな、と思ったからだ。 「何も見えない」「何もわからなかった」と言う人もいるが、僕

¥200

フェルナン・ブローデルが教えるヴェネツィアの魔力/一日一微発見452

旅は相性のいい2人がいいにきまっている。ハードな移動だし、誰であれ疲れる。 だけれど相性の…

200

サーペンタイン・ギャラリーでのジュディ・シカゴ展「Revelations」が導く未来/一日一…

今回のアートの旅は、気がつくと、見たいアーティストは、女性作家とクィア、ブラックアートば…

200

Tate Modernのオノ・ヨーコ展を体感する/一日一微発見450

僕は子どもの頃に、絵を描くことで随分と救われた。「アートの力」がずっと伏流水になって今が…

200

ヴィヴィアン・サッセンとシュルレアリスムのアップデート/一日一微発見449

2024年の4月、kyotographieにおいて、パリでの展示が、京都新聞社の地下スペースに再構成され…

100〜
割引あり

アドリアーノ・ベトロサの第60回ヴェニス・ビエンナーレをイメトレする/一日一微発見4…

ヴェニス・ビエンナーレに最初に行ったのがいつだったかは定かではないが、はっきり意識的に行…

100〜
割引あり

「草取り」をめぐって ダイアン・アッカーマンの『庭仕事の喜び』(春夏)/一日一微発…

僕は、自分が庭でしていることを「ガーデニング」と言うのにはためらいがある。それは、尊敬す…

100〜
割引あり

小林秀雄対談集『直観を磨くもの』を、再読しなが考える/一日一微発見446

橋本治は信頼・共感できる「物書き」の一人であった。彼の美術論『ひらがな日本美術史』は、コンテンポラリーアートはあつかってはいないが、古今をとわず、絵画というものに対するすぐれた「まなこ」にあふれていたし、他の著作のいずれもが、触知に導かれた知見の産物であった。 なかでも、彼の著作『小林秀雄の恵み』は、小林秀雄賞をもらった「縁」で彼が、小林秀雄の「本居宣長」という江戸の国学者をあつかった晩年の大作に、まっこうから挑んで分解してみせた快著であった。 重要なポイントは、橋本が自

¥100〜
割引あり