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教育のユニバーサルデザイン

こんにちは、ichikoです。

環境 × 教育
に関することを投稿しています。

今回は
教育のユニバーサルデザインについてです。
(環境というより
教育や「なにかを伝える」時に使える内容です!)


教育のユニバーサルデザインって?

「ユニバーサルデザイン」
この言葉は聞いたことある人も多いと思います。

年齢、障害の有無などに関係なく
すべての人のためのデザイン

という意味です。

じゃあ
教育のユニバーサルデザイン」というと?

つまり
すべての子どものための教育
ということです。

えっ?教育ってすべての子どものためでしょ?
そんなの当たり前じゃない…??

そう思われるかもしれませんが

日本の学校では
不登校の子どもが増加…

学校へ行っていたとしても
授業についていけなかったり…
逆に授業が簡単すぎてつまらないと感じていたり…

すべての子どもが
主体的に参加できる教育がなされているとは
残念ながら、言えない状況です。

なぜすべての子どもが参加できる教育が難しいのか?

当たり前ですが
子どもたちは一人ひとり
成長の違い
発達の違い
興味関心の違い

様々で均一な集団ではないからです。

同じ内容でも
全然分からない…という子もいれば
もうすでに理解しているから退屈…という子もいる。
理解してるのかしていないのか?が
分かりづらい子もいる。
集中できる時間が短い子や
先生の話を聞くのが苦手な子、
板書をとるのが苦手な子、
授業前に準備ができない子など…

そんないろーーーんな子がいる中で

先生たちはさまざまな工夫をして
子どもたちが
楽しく学べるように
工夫しています。

その工夫の一つに
教育のユニバーサルデザインがあります。


ユニバーサルデザインの3つの柱


教育のユニバーサルデザインには
3つの柱があります。

1つめは「教室環境のユニバーサルデザイン」
授業に集中することや
安心して学べる環境をつくること。

2つめは「人的環境のユニバーサルデザイン」
安心して過ごせる人間関係をつくること。


3つめは「授業のユニバーサルデザイン」
すべての子どもにとって
わかりやすい授業の工夫をすること。

具体的に見てみましょう。


教育のユニバーサルデザインの例

①授業の前に道具の準備ができない

「次は国語なので、5分休みの間に
ノートと教科書と筆箱を机の上に出して
準備しておいてください。
宿題のプリントは先生の机に提出してください。」

コレを言うだけになっていませんか?

聞いた言葉は
聞こえていても
目に見えず
すぐに消えてしまうので

短期記憶が苦手な子や
聞いても意味を理解するのに時間がかかる子
または意味が理解できない子には

これを口頭指示だけで全てやるのは
逆立ちで階段を登れと
言われているようなものかもしれません。

どうすればいいのでしょうか?


聴覚だけでの指示はやめます。
視覚の情報で補助します。

5分休みの前に
黒板やホワイトボードの端に
四角の中に
ノート📓
教科書📕
筆箱✏️
をイラストなどで書き
どこに置くのか分かるようにします。

さらに
「宿題プリント」
と大きく書いて
プリントを入れるカゴに貼り付けて
置いておきましょう。

物を片付ける時も
物の住所を決めましょう
といいますよね。

授業で使うものも
どこに何を置くのか
目で見て分かるようにしておくだけで
先生が声を張り上げて
指示をしなくても済むようになりますし
子どもも
見て、何回も
確認できる安心感があります。

これが「教室環境のユニバーサルデザイン」です。


発言するのがいつも同じ子ばかりになってしまう

いつも同じ子ばかりが手を挙げている…
できる子に答えてもらえば
授業は進むし
まぁいいか
で済ませてしまう先生
多いかもしれません。

でも
手を挙げていない子は
授業に参加できているのでしょうか?

発言しない子は
なぜしないのでしょうか?

・答えや考えが浮かばない
本当わからない場合もあります。

・間違えたら恥ずかしいと思っている
なんとなく分かっているんだけど
間違えたら恥ずかしいから
手を挙げない
失敗はしたくない

そういう場合もあります。

答えが分からない!という場合
わかる人だけ手を挙げるのではなく
わかる人はグー✊
わからない人はパー✋
ちょっと自信ないけど
これかなー?って答えはある人はチョキ✌️

などのように
全員の手があがるような質問にしてみる
全員が参加できる仕掛けをつくる

これが「授業のユニバーサルデザイン」です。

また
わからないことや
失敗することが
恥ずかしいことではなく

わからないことや
失敗したところから
みんなが学べる

安心して失敗できる

そんなクラスの雰囲気作りが必要です。

これが「人的環境のユニバーサルデザイン」ですね。


子どもたちの集中力が続かない

最初の10分、15分はいいんだけど…
だんだん子どもたちの集中力が切れてしまって
授業がだれてしまう…

なぜでしょうか?

今日の授業では
何をするのか?
何が目標なのか?
子どもたちは知っていますか?

できることまでやろう
と授業をやるのではなく

今日は
こういう流れでやるよ
最後にはここをみんなで
わかるようになろう!
そんな風にゴールをみんなで共有することで
何に向かっていけばいいのかを
子どもに意識させることができます。

実はこれは
教える、伝える人の方に
1番必要な意識だと思うのですが…

自分もできているか?
いつも反省しているところです。

これも「授業のユニバーサルデザイン」です。


また、集中力が短いと言われる子の中には
目で見た情報に振り回されやすい
という特性があるかもしれません。

授業をやってる黒板(ホワイトボード)
一生懸命見てるんだけど…
「あ、今日の給食なんだろ…献立表見えるかな…」
「あ、あの学級目標、◯◯が書いたんだよなー」
「あ、前の席の子、何やってるんだろ?」
…なーんて
目に入ったものに
ついつい心を奪われてしまっていると…
「やば!先生の話、全然聞いてなかった…」

どうしたらいいのでしょうか?

なんで話聞いてないの?!と
この子を責めるのではなく
周囲の環境を整えてあげることで
解決するかもしれません。

授業をする黒板やホワイトボードの周りに
余計な物を貼らない。
見てほしいものだけが目に入るように
カーテンや
目隠しを使うなど、

周囲が気になってしまう子は
1番前の席にする。

パーテーションなども有効です。

これも「教室環境のユニバーサルデザイン」です。


教室環境のユニバーサルデザインについては
こちらに分かりやすく
イラストで載っています!


このように困ったなぁ…と感じる問題に
「教室環境」
「人的環境」
「授業」
この3つの視点で
ユニバーサルデザインを取り入れてみると
教育全体が変わってくると思うのです。

特別支援の視点

ほんの一例を挙げてみましたが
実はコレ
特別支援学校などでは
割とスタンダードな支援方法です。

「障害」というと
構えてしまう先生や親が多いですが、
誰しも

視覚情報に振り回されやすい
言葉だけの指示はすぐ忘れてしまう
など

少なからず得意・不得意があるはずです。

それを自分で自覚して

「机上を整理してから仕事しよう」
「言われたことをメモしよう」

と工夫ができるようになればよいのですが

大人だって自分自身の得意・不得意を
理解して工夫するというのは
なかなか難しいですよね。

子どもならば
なおさらです。

上記はほんの一例です。
もっともっとたくさんのアイディアがあります。

授業のユニバーサルデザイン
で検索したり
本、学会、機関誌もあり
研究や実践報告も盛んな分野になっています。


そして、これらの支援は
◯年生だから…ということで
減らしたりするものではないと思います。

あくまでも
参加者全員が教育に参加できることが大切なので、
必要な子がいる場合は
支援をすればいいし、
なくても全員ができるなら
簡素化(イラスト→文字だけ)したり
なくしてもいいのです。

まず1番大切なことは

困っている子がいるか
支援を必要としている子がいるか

これを知ることです。

大人だって!必要なユニバーサルデザイン

障害のある子どもたちにとって
分かりやすい教育は

実はすべての子どもたちに分かりやすい

そんな考えで
教育をユニバーサルデザイン化してみませんか?

そして
教育のユニバーサルデザインは
学校現場だけではなく

大人でも
研修会や会議など
教えたり
伝えたり
話し合ったりするときに
意識すると

わかりやすい!
みんなが楽しい!
もっと参加したい!
そんな活動になりますので

頭の片隅に
ぜひ置いておいてみてください。

大人同士の会議でも
最初に議題があって
あといくつやったら終わりだなと
わかると安心して会議に臨めますよね。

大人同士の話し合いも
何が目標なのかが分からなくなると
途端に何を考えればいいのか
わからなくなって脱線しますよね。

そういうのと同じですね。



今日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。

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