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小説 氷磨と王子

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2022年4月4日本編完結した連載小説です。 ファンタジーというか、少年の成長物語というか、架空の国、架空の二つの民族の二人の少年のお話。
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小説「氷磨と王子」第一章

小説「氷磨と王子」第一章

まえがき この小説の元になったのは、14歳の頃の構想です。もういいかげん表に出してやらないと、と思いつつ、10年が経ちました。なんとか、人様に読んでいただけるように整えましたので、お暇のある方、ぜひ読んでいっていただければ幸いです。今回お届けするのは、「氷磨」(ひょうま)第一章です。

序 子守歌 母は我が子に歌う。この国の言い伝えの歌を。

月の光の満ちし時
耳を澄ませば
笛の音響く

美しき調

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小説「氷磨と王子」第二章

小説「氷磨と王子」第二章

第一章(振り返りなので不要な方は飛ばして下さい)​ 第一章をまだお読みでない方はぜひ第一章からお読みください。

と言いつつ、振り返りにあらすじを書いておきますと、第一章では、この物語の主人公で、なんだか無気力な「王子」、そしていつも側にいる気の利く、混血の「侍従」、この国で絶対的な存在である「王」、物語を語る「老人」、そして回想に「鬼の子」が登場しました。王子もメロメロの美しいヒロイン「沙耶」も

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小説「氷磨と王子」第三章 前半

小説「氷磨と王子」第三章 前半

これまでのお話(不要な方は飛ばして下さい) 西の国の王子とその侍従は、「成人の儀」のため、東の山へと向かいます。それに際して王子の父である王様は、王子の成人を祝う宴の夜、響いた不思議な笛の音について、成人の儀でその正体を確かめるように命じました。

 東の山で出会ったのは、「氷磨」と名乗る少年。彼は今は亡き東の王の子だと名乗ります。侍従は彼の存在を知っていました。侍従は、東の王と西の王を繋ぐ存在で

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小説「氷磨と王子」第三章 後半

小説「氷磨と王子」第三章 後半

これまでのお話(不要な方は飛ばして下さい) 「成人の儀」のため向かった東の山で、「氷磨」 ー西の王が滅ぼした、東の王の一族のたった一人の生き残りの少年ー に出会った、王子と侍従。満月の夜に聞こえる不思議な笛を吹いていたのは彼でした。王は滅ぼしたはずの一族の笛が、十年を経て復活したことを訝しく思っているようでした。

 侍従は、氷磨の存在を王には知らせるまいと、笛を吹いたのは自分である、と名乗り出ま

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小説「氷磨と王子」第四章 前半

小説「氷磨と王子」第四章 前半

これまでのお話 これまでのお話はこちらのマガジンにまとめています。更新の間が開いてしまいましたし、なんとなくことのあらましはリンクの下に書きます。作者ですら混乱するので関係図も置いておきますね。

 これはある国に、二つの民族が住んでいるお話です。もともと「東の民族」が住んでいた土地に、「西の民族」が入ってきます。西は侵略者ですが、やがて二つの民族は争いをやめ、互いに混ざるようにもなります。しかし

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小説「氷磨と王子」第四章 後半

小説「氷磨と王子」第四章 後半

これまでのお話 下のマガジンにこれまでのお話をまとめてあります。第四章前半までは、あらすじをのせておりますが、そろそろ物語も終盤、作者の余裕もなくなってきたので(おい)、省かせていただきます。

 これまでのあらすじと関係図を載せた、第四章前半はこちら。

 それでは本編、舞台は西の城から東の山へ。過去に何があったかは王子たちの知るところとなりました。さて、これから物語はどのような結末へ向かうのか

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小説「氷磨と王子」第五章

小説「氷磨と王子」第五章

これまでのお話 下のマガジンにこれまでのお話をまとめてあります。第四章前半までは、あらすじをのせておりますがもう前回に引き続き要約が大変なので・・・省きます。

 これまでのあらすじと関係図を載せた、第四章前半はこちら。

 今回は第五章、物語はついに完結します。ちょっと校閲をサボってるのでまだまだ作業はありますが、とりあえず漢字やらなにやら細かいところは置いておいて、公開します。

第五章第二十

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