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首都圏のJR駅の標高を調べたら東京都心の災害危険度がはっきりして怖くなった(1)

日本列島はどこであれ災害に脅かされています。首都圏も例外ではありません。地震、津波、台風、豪雨、洪水、土砂崩れ…。災害にはいろいろありますが、標高を調べてみると首都圏の水害に対する危険度が高いことがよく分かります。

ぜひ一度ご自身の関係する地域の標高やハザードマップを確認していただきたいです。ただ、いきなり時間と労力を掛けたくない場合、まずはこの記事で大まかな傾向だけでも把握してみてはいかがでしょうか。首都圏のいくつかのJR駅の標高を調べて図にして直感的に理解しやすくしています。東京と神奈川、埼玉、千葉をつなぐ主要な路線が対象です。何回かに分けて記事にします。

もし東京都心に勤務しているのであれば、勤務中に災害に遭遇した場合にどのように行動すべきか、これを機に考えてみる必要があるときっとわかるでしょう。なんといっても、想定されている津波や浸水の被害の恐ろしさを目にすることになるだろうからです。

図には南海トラフ地震の想定最大津波高と東日本大震災の最大津波高を重ねています。南海トラフ地震の最大津波高は34mと想定されています。高知県で予想されている津波高です。また、東日本大震災の最大津波高は福島県富岡町で観測された21.1mです。

この記事は、シリーズの1回目。対象は総武線の駅。東京都と千葉県を結ぶ路線です。標高データは『スーパー地形』(Android版)という地図アプリをもとに作成しました。

JR総武線駅標高

標高差がはっきり出ています。東京都の武蔵野台地と千葉県の下総台地が東京湾岸沿いのゼロメートル地帯を挟んでいる形になっています。

武蔵野台地上の三鷹駅から坂道を下り、都心東側の秋葉原から始まる低地およびゼロメートル地帯を通り、千葉県の市川駅~西船橋駅のかつての海岸線を経て東船橋駅以東の下総台地端部を走り千葉駅に至ります。

津波高を図に重ねてみると、なんと総武線駅の74%が南海トラフ地震の想定最大津波高34m未満の標高しかなく、64%が東日本大震災の最大津波高21.1m未満の標高しかありません。もしこの地域にこの規模の津波が来たら、ほとんど水没するということが分かります。

東日本大震災の津波がいかにすさまじい規模だったか、そして、それよりも巨大と想定されている南海トラフ地震の津波がいかに桁違いの規模か、ということを感じていただけたと思います。こんなものに襲われたら、ひとたまりもありません。

南海トラフ地震が想定されているのは首都圏ではありませんが、日本の西半分がこの津波に襲われるのですから、決して他人事と思うべきではありません。

もちろん、津波の予測は地域によって異なります。繰り返しになりますが34mというのは高知県で予想されている津波高です。ここでは恐怖心を煽るためにわざと34mという最大津波高を採用しています。しかし、当然標高の低い場所ほど水害に対して脆弱です。特に平井駅などのゼロメートル地帯や千葉県の湾岸の低地は影響が深刻と考えられます。

ぜひこの機にご自身の関係する地域のハザードマップを確認して災害に備えてみて下さい。

次回は京浜東北線を取り上げる予定です。


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