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HR豆知識 vol.26(マインドフルネスと瞑想)

1.マインドフルネス=瞑想ではない

マインドフルネスという言葉を聞いた時に皆さんは何をイメージしますでしょうか?

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Search Inside Yourselfの本を手に取った方は多いと思います。

有名になったマインドフルネス実践法という言葉により、瞑想という行動そのものを指すという印象を多くの方が抱いているのではないでしょうか。

The Greater Good Science Centerの脳神経学者であるEmiliana R. Simon-Thomasは、マインドフルネスそのものを以下のように定義しています。https://greatergood.berkeley.edu/profile/emiliana_simon_thomas


・マインドフルネスとは瞑想などの行動を指すのではなく、「今ここに対し意識を向け、オープンである状態」を指します
・職場でのマインドフルネスとは、穏やかで育み続ける私たちのレンズを通して、考え、感情、体感、および外部環境に対する1秒1秒に対する気づきを維持することを意味します
・マインドフルネスの2つの最も重要な特質は、①”今”に対する意識を大切にする事、②優しく、心を開くスタンスを持つことです。


緊張したら、深呼吸してごらん」と言われたあのころを思い返してみてください。深呼吸をすると、少しだけ気持ちが落ち着きますね。その感覚と似ています。


様々なプレッシャーや様々な集中をそぐもの(携帯・SNSなどなど)から離れて、オープンな気持ちで今に集中する事。これが「マインドフルネスな状態」です。


2.マインドフルネスと瞑想の関係性

では、マインドフルネスな状態を作り上げるための方法である、「瞑想」にはどのような効果があるのかをご紹介していきたいと思います。

(1)感情的認知スキル・脳・幸福感にポジティブな効果がある

瞑想は、ヒトの感情的および認知的スキル、幸福、脳に非常に異なる影響を与えることがわかりました。つまり、行う瞑想の種類に応じて、さまざまなメリットが期待できます。具体的には以下の5つです。

①注意力を高める
②思いやりを高める
③マインドへの理解を高める
④脳を成長させる(縁上回など、共感と感情の調節に関与する領域や側頭頭頂接合部の灰白質が厚くなる)
⑤社会的ストレスを下げてくれる(コルチゾールストレス反応を最大半分に減らすことができた)

ただ、瞑想の方法によって夫々の効果が異なるという点も重要なポイントで、ただ呼吸をしていればすべてが良くなるわけではないという事も抑えておいてください

(2)レジリエンスを高めてくれる

マインドフルネスな状態はレジリエンス(乗り越える力)に強い影響力を持っている事が多くの研究で明らかになっています。レジリエンスを高めるには、①呼吸…自律神経を整える、②瞑想…創造性や認知機能、感情の安定、ストレスへの反応を改善します、③意識…”直感”的な危機予測など、危機に反したときの選択や対応を可能にするという3つの要素が効果的と言われており、瞑想はレジリエンスを高める効果があると言われています。

レジリエンスというものに興味のある方は以下のTedをご覧ください。

3.瞑想の種類

では実際に、瞑想のタイプについてご紹介していきます。

(1)Presence (3 months) 注意力と体への意識

このモジュールは、注意力と体内の意識のトレーニングに焦点を当てています。エクササイズには、体をスキャンし、呼吸に焦点を合わせ、精神がさまようときはいつでも現在の瞬間に注意を向け、聴覚と視覚の感覚に注意を向けることが含まれます。

(2)Affect (3 months) 感情への意識

このモジュールでは、愛情、思いやり、感謝の気持ちなどの前向きな社会的感情を訓練し、困難な感情を受け入れ、他の人に親切で助けになるというモチベーションを高めることに焦点を当てます。

(3)Perspectives(3 months) 認知・解釈への意識

このモジュールでは、メタ認知スキル(自分の思考に気付く)、自分の性格の側面についての視点を得る、他の人の視点をとることに焦点を当てます。このモジュールでは、パートナーエクササイズには、あなたの性格の1つの側面の観点から、最近の経験について交代で話すことが含まれます。注意深く耳を傾け、取られている視点を推測しようとします

AffectモジュールとPerspectiveモジュールには、毎日2つのコアプラクティスがあります。1つは古典的な瞑想、もう1つは10分間のパートナーエクササイズで、参加者はモバイルアプリケーションで毎週新しいパートナーに割り当てられます。感情モジュールでは、パートナーは交代で自分の感情や体の感覚を共有しながら、人生で困難または感謝の気持ちを誘発する経験を思い出し、共感的なリスニングを実践します。

4.私が行っている瞑想

私も仕事のチェックインとして活用しており、すぐにでも実践できる瞑想をご紹介します。この方法は会議の最初の5分間、商談前の待ち時間、研修のオープニング、自宅仕事で頭を切り替えたいとき、などなど多くの場面で使える方法です。ボディスキャン瞑想と呼ばれ、上のタイプであればPresence系の瞑想となります。

特に良いなと思える点は、文字通り「頭を切り替えることが出来る」ことです。ともに実践している多くの受講者の方がその効果を感じて頂けており、ぜひトライしてみて頂けると幸いです。

① まず、リラックスした快適な姿勢を見つけます。あなたは椅子やクッションの床に座ることができます。背中を垂直に保ちますが、きつすぎません。手は快適な場所に。口の中の舌もリラックスさせてください。目はつぶってもつぶらなくてもどちらでも楽なほうを選んでください。その後、大きく深呼吸を3回してください。

② 次に体に注意を向けてリラックスしてください。あなたの体の形、その重さに気づいてみてください。リラックスして、ここに座っているあなたの体、それが感じる感覚、触覚、床や椅子とのつながりに注意を向けてみてください。緊張感や緊張感のある部分をリラックスさせます。その間も息をし続けてください。

③ 鼻孔から深呼吸(3秒)、息を止めて(2秒)、口から長い息を吐きます(4秒)。自然な呼吸の流れを感じてください。息をするために何もする必要はありません。長くもなく、短くもない、自然に呼吸をしましょう。体のどこに息を感じているかに注目してください。それはあなたの腹部にあるかもしれません。それはあなたの胸や喉、またはあなたの鼻にあるかもしれません。一度に1呼吸ずつ、呼吸の感覚を感じることができるかどうかを確認してください。 1つの呼吸が終了すると、次の呼吸が始まります。

④ 呼吸をしている間に、あなたの心がさまよっていることに気付くかもしれません。他のことについて考え始めるかもしれません。これが発生した場合、それは問題ではありません。それはとても自然なことです。あなたの心がさまよっていることに注意してください。頭の中で「考える」とか「さまよう」とやさしく言うことができます。そして、そっと注意を呼吸に戻します。

⑤ ここに5〜7分間滞在します。沈黙の中であなたの息に気づきましょう。時々、あなたは考えに迷い、それからあなたの呼吸に戻ります。数分後、再びここに座っているあなたの体、あなたの全身に気づきます。さらに深くリラックスして、この練習を今日行うことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。

少しでも皆さんの日々に活かされていると嬉しいです。

私は誰ですか?著者:松澤 勝充

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神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事

2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した3カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶHRBP講座を展開している。

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保有資格:The Science of Happiness(UC Berkeley)、DiSC認定トレーナー、ピープル・アナリティクス(authorized by the University of Pennsylvania)、ポジティブ・サイコロジー・ワークショップ(Japan Positive Psychology Institute)、他

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<参考>





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