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『すずめの戸締まり』考

一昨日、新海誠監督『すずめの戸締まり』が金曜ロードショーで放送された。

私は今回、初めて観た。


『君の名は。』『天気の子』に続き、『すずめ…』でも自然災害が扱われている。隕石、豪雨と来て、今度は地震がテーマだ。

『君の名は。』の時点で、東日本大震災を念頭に作られたのだと感じていた。

『すずめ…』では明確に、「3月11日の震災」が描かれている。


自然災害とファンタジーという組合せは、不謹慎あるいは能天気といった誹りを受けやすいだろう。

実際『君の名は。』で、亡くなったはずの人々が助かるという、過去の書き変えが私は気になった。

『すずめ…』は、地震を未然に防ぐ「閉じ師」の話だが、過去の書き変えは無かった。


通常は人間には不可視の怪物が暴れ、それが自然災害として現れるという設定は、『魔法少女まどか☆マギカ』のラスボスを思わせる。

『まどマギ』は、テレビ版の放送期間中に東日本大震災が発生している。そして予定されていた放送が中断され、再開後にラスボスが登場したようだ。

そういえば、ダイジンはキュゥべえに似ている。


話題性の高さでは、『君の名は。』>『天気の子』>『すずめ…』かもしれないが、私は『すずめ…』が一番よかった。

前二者よりストーリー展開がシンプルで、真っすぐ突き進んでいく感じが心地よい。

主人公のすずめが過去の自分に出会うシーンは胸が痛いが、そこから過去との和解がもたらされるのが感動的だった。


今まで観た新海作品で好きなのは『星を追う子ども』だけだったが、『すずめの戸締まり』も気に入った。

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