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11人にインタビューして考えたこと

今年に入って様々な地域住んでいる様々な仕事をしている方の職業観とお金観について取材をしてきました。

その過程で仕事やお金というテーマに共通する大きなテーマが見えてきた気がしました。

いったんその内容をまとめてみようと思い書いてみたのが今回の記事です。

これから働き方やお金とどう向き合っていったらいいか考えている方にとって、何か参考になる視点になれば幸いです。

仕事とお金の共通項

仕事もお金も「思い込み」が生じやすいということです。

インタビューさせていただいた11人全員の共通点は、この「思い込み」に左右されずに生きているということでした。

以下、お金と働き方にわけてどんな思い込みが生じやすいか、まとめてみました。一応項目には分けていますが、相互に関連性がありつながっている事項もたくさんあるので、分け方は1つの視点として見ていただけたら幸いです。

お金に関する思い込み

お金は使わないといけない

日々の生活の様々な場面で人はお金を使います。しかし後から振り返れば、必ずしもお金を払わなくてよかったシーンはないでしょうか。特に都会に住んでいると、何でもお金で解決するライフスタイルになりがちだと感じました。

この点において、お金を払わず「自分で作る」ことについて話されていた吉井さんのお話は、僕自身頭の中にほとんどない視点でした。

吉井さんのインタビュー記事
https://note.com/hyakuiro/n/n2980d27d0c68

労働しないでお金は手に入れてはいけない

収入を得る場合、何かしら労働を行うのが一般的ですが、それが全てではありません。資産運用や著作権からの収入のように非労働性の収入もあることは、軽視されがちではないかと思います。

ここには、資産運用も著作権も収入を得る手段としてそもそも思いつかないという意味での思い込みに加え、具体的な内容を検討せずそれらが「とても難しいもの」、「悪いこと」と判断しがちという意味での思い込みもあるように感じました。

この点に関する各種の着眼点は加島さんのお話が大変参考になりました。

お金を生み出さないことには価値はない

また、何かに時間を投資してお金になる場合もあれば、そうでないものもあります。すぐにはお金にはならなくても時間が経った後に価値が認められてお金になることもあります。例えば、芸術作品はその代表例の1つでしょう。

この点もよく考えていくと、人はお金を生み出さないものには価値がないという思い込みがあるように思いました。時間の経過によってお金になるもの、ならないものが分かれるというのは、ある意味でとても不思議です。

こちらも加島さんのお話が大変学びになりました。

加島さんのインタビュー記事
https://note.com/hyakuiro/n/nd8c29179bbb7


仕事に関する思い込み

上昇志向であらねばならない

マスコミ等の報道では猛烈に仕事をして富や名声を得た人が、取り上げられがちです。このような情報ばかりに触れていると、人がたくさんいる都会で激しい競争をすることが仕事をすることだと勘違いしてしまいます。

ここは言い方を変えれば、仕事は自分の人生そのもの、人生の比重で一番大事なのは仕事だという「常識」とも似ているかもしれません。

僕自身けっこうそういう思い込みがあったので、山本さんのお話を聞いていて盲点でした。

山本さんへのインタビュー
https://note.com/hyakuiro/n/nceec6575dbfa

結婚しても「仕事」を続けないといけない

これは特に女性の場合に出てくるお話ですが、男性であっても同じです。結婚後に「仕事」(世間一般の定義としての仕事とという意味でカギカッコをつけています)をしないと人生を不真面目に生きているなどと批判されがちです。

これは家事は無価値と思いこまない視点に加え、お金を生まない活動は価値を生んでいないという上記のお金の思い込みも絡んでいる思い込みでしょう。

この点で今回インタビューとしてお話を聞かせていただいた事例は、専業主婦願望の女性という論点でした。

キャリア支援は昨今とても活発ですが、専業主婦や専業主夫で生きていきたい人キャリア支援というものもあっていいのではないかと思います。

これらの視点は高橋さんのお話が大変参考になりました。

高橋さんのインタビュー記事
https://note.com/hyakuiro/n/nad9e06bde7e5

家事と仕事は両方やらないといけない

これも男性と女性の両方で論点になり得るものの、女性で問題になることが多いテーマです。

性別で役割分担するのはおかしい、近年は男性も家事をしないといけないという風潮が最近は高まっています。しかし、ここはより言うと自分たちで全てやるという発想そのものが思い込みではないかと思います。

家事をアウトソースしてライフスタイルが変化したという福岡さんのお話がこの点で大変参考になりました。

福岡さんのインタビュー記事
https://note.com/hyakuiro/n/n5c40703f204b

仕事は1つである

「〇〇さんのお仕事は何ですか?」「□□です。」というやり取りは社会に出ると日常茶飯事です。しかしこれでその人の仕事が本当にわかるでしょうか。

1つしかしていないと思っていても、その中には様々な要素が含まれており、厳密には1つと言えない仕事の方がほとんどではないかと思います。

一方で、今回取材させていただいた方々は、たいてい複数の仕事をされていました。ただ個々の仕事の背後にある価値観は共通しており、そういう意味では1つのことを仕事にしているとも言えます。

「仕事は1つである」という思い込みには、2つの意味があると考えています。1つは事柄ベースで「仕事は1つでないといけない」というもの、もう1つは事柄ベースで「複数のことをやるのは一貫性がない」というものです。

事柄ベースで多岐にわたる仕事をしているものの実質的には1つの仕事をしている例はSho Takahashiさんのお仕事の仕方が参考になります。
 
Sho Takahashiさんのインタビュー記事
https://note.com/hyakuiro/n/n0ca88f280e3b

次何やるか決めないでジョブチェンジしてはいけない

仕事を辞めるときは次の仕事が決まっていないといけないという思い込みもあると思います。

転職のエージェントの仕事をしている方と話をしていると、仕事を辞めてから次の仕事を探す人は、転職で不利になるとみなさん言われます。

しかし、長いこと働いた後に内省の時間を取ることも大切ですし、新しいことを学ぶという選択肢もあってもいいはずです。

実際にいろんな人に会ってお話を聞いていると、今は立派に仕事に精を出して活動をしている人でも、かつては次の仕事を決めずに仕事を辞めた経験のある人にたくさん出くわします。

もちろんこれは、全くノープランで仕事を辞めてもいいという話ではありません。仕事として何をやるか決めるのではなく、こういう方向性で生きていきたいというおおまかな方向性を決めるのは大事だと思います。

この点について参考になるエピソードを聞かせていただいたのがかなみんさんのお話でした。

かなみんさんのインタビュー
https://note.com/hyakuiro/n/ncb1998176b29

お金と仕事を考える上での3つのポイント

自分の価値観を大事にする

「思い込み」に気がつくためには、自分の価値観と世間の「常識」との違いを認識することが大切だと普段の生活から感じています。

僕自身、仕事で様々な方とのお話を聞く対人支援のお仕事もしていますが、どんなテーマの相談でもここが肝になることがほとんどです。

自分が「こうだ!」と思っていることが実はそうではない、ということが多々あります。まずはこのことに気がつくことが第一歩になるでしょう。

今回インタビューさせていただいた方は例外なくこれらができている方でした。

「常識」に染まらない

次に「常識」に染まらないことです。自分の価値観と「常識」との違いを区別できるようになっても、気がついたら2つが1つに同化することが多々あります。

この点について考え直すきっかけになったのも、今回インタビューさせていただいたみなさんのお話です。

この「常識」に染まらないで行動するヒントがたくさんありました。それは視点を変えることです。具体的には、いろんな人と話す、いろんな本を読む、場を変える(行く場所 職場)、ニュースやSNSをなるべく見ない、という方法が挙げられます。

いろんな人と話すという観点では、まさにいろんな人と出会う中でキャリアを変えていった原田さんのお話が大変参考になりました。

いろんな本を読むことの大切では荻野さん、場を変えるという点ではかなみんさん、ニュースやSNSをなるべく見ないという点では Sho Takahashiさんのお話が参考になりました。

原田さんのインタビュー
https://note.com/hyakuiro/n/n6f4a75cf01d0

自分を信じる

自分の価値観と世間の「常識」の2つを区分けできても、実際に行動できなくては意味がありません。

その行動に必要なのは自分を信じる力です。

僕がいろんな物事を考える上で最終的に行き着くのがここです。僕自身、キャリアがテーマになる活動とお金がテーマになる活動の2つがありますが、どちらも最終的に一番大事になるのがこの自分を信じる力です。

その割には、インタビュー中には着眼できていなかった視点でした。今後はここにより着目してお話をうかがっていきたいと思います。

最後に

今回記載した内容はあくまで1つの着眼点であり、他の観点でも気になっているポイントがいくつかあります。そういった点なども今後まとまってきたら記事にしていきたいと思います。

なお、こういったインタビューをさせていただく方も募集をしています。今までは個別の僕からお声がけしたり紹介が多かったのですが、ご興味ある方を広く募集しています。気になる方はぜひ一度お問合せ下さい。

この記事が参加している募集

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