見出し画像

兵庫県神戸市にてフリーでコミュニティの支援のお仕事をされているかなみんさんへのインタビュー

今回は兵庫県神戸市にてフリーでコミュニティの支援のお仕事をされているかなみんさんに取材をさせていただきました。

かなみんさんとお話をしていてまず感じたのは、自分を信じることの大切さです。

新しいキャリアに進むときに次の道筋を決めて進むのはもちろんありでしょう。一方で内発的な動機づけが明確であれば、先が見えずとも新しい世界に飛び込んでいくキャリアの築き方もあっていいのではないかと感じました。

特にコロナウィルスの一件でこれからの社会の見通しが不透明になっている今、まさにこういった視点が求められていると思います。

次に、人生全体の中でキャリアを位置付ける大切さです。

お金や人間関係など幅広い観点にも目を向けた上でキャリアを考えたというかなみんさんの生き方は、キャリアについて考える方全般にとても参考になる考え方だと思いました。

以下、インタビュー記事です。

佐藤:本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは今までどんなお仕事をされてきたのかお伺いしてもよろしいでしょうか?

かなみん:社会に出て最初は大阪で個人指導塾のマネージャーをしていて、その後神戸で貿易事務の仕事をしていました。今はフリーでコミュニティの支援をしています。自分では「パラレルコミュニティコーディネーター」と名乗っています。

佐藤:最初は塾のマネージャーをされていたのですね。こちらのお仕事はいかがでしたか?

かなみん:個人の裁量が大きくて仕事にはやりがいを感じていました。一方で、夜遅くまで仕事をすることが多くハードだと感じる部分もありました。仕事をしていくうちに英語を生かせる仕事をしたい思いも出てきたこともあり、その後は神戸に引っ越して貿易事務の仕事を始めました。

佐藤:私も学生時代に塾の講師のアルバイトは経験があります。マネージャーさんは確かに毎日かなり遅くまで仕事をされていたのを思い出します。貿易事務のお仕事はいかがでしたか?

かなみん:塾のマネージャーのときとライフスタイルが真逆かもしれません。仕事内容は自分で考えるというよりも、決められたことをきっちりこなすことが求められるようになりました。
また毎日夕方には仕事を終えることができたので、時間にゆとりはできました。そのときに空き時間を利用して神戸の英会話コミュニティに顔を出すようになりました。

画像5

佐藤:以前にお話を聞かせていただいたときに英語のコミュニティに関する活動をされていることを伺っていましたが、こういう経緯があって入られたのですね。英会話コミュニティに入って変わったことは何かありますか?

かなみん:仕事と会社以外の場所で、英語という共通の目的をもってポジティブな人との関わりがあるところがすごく楽しくて、次第にコミュニティのスタッフもするようになりました。そこから日々の生活に充実感を感じるようになりました。

佐藤:コミュニティの活動ではどんなお仕事をされていたのですか?

かなみん:アイスブレイクをして初参加の方も参加しやすい雰囲気を作ったり、盛り上げ役になったり、人と人とをつないだり、みんなでご飯に行ったり、参加された方がコミュニティに愛着をもってもらう雰囲気づくりを心掛けていました。そういうことをしているうちに私自身が楽しくなってきました。

画像1

佐藤:今のコミュニティのお仕事をされるきっかけが、この英会話スクールにあったように感じました。このコミュニティに出会って変わったことはありますか?

かなみん:自分は人と関わることやイベントを開催することが好きなのだなと感じて、いつかはこういうことを仕事にしたいと思うようになりました。そしてこのままの生活をしていて、それがいつ来るかわからないという思いもあり、普段の生活とのアンバランスも感じるようになりました。
そのとき入会していていたブロガーのはあちゅうさんが主催するオンラインサロンにて、川村元気さんの本が紹介されていたのが目に留まりました。その本には、スラムダンクの三井という登場人物のセリフからインスピレーションを得た「先生、仕事をしたいです」という言葉が書かれていました。そこからうつうつと仕事にいくのはおかしいと考えるようになりました。
そこで、次に仕事は決まっていませんでしたが、貿易事務の仕事を辞めました。その後は知り合いのいるコワーキングスペースの運営のお手伝いをさせていただいたりしているうちに、徐々にお仕事をいただけるようになりコミュニティが次第に仕事になっていきました。

画像6

佐藤:素晴らしいですね。お話を伺っていて人との出会いが大きかったのではないかと感じましたが、この点はいかがですか?

かなみん:そうですね。やはり人との縁は大きかったと感じています。実は、英会話のコミュニティに参加したきっかけは失恋でした。そして、コワーキングスペースとの出会いのきっかけは会社辞めたことでした。今振り返ってみると、アンテナを張っていれば必要なときに必要な出会いがあるのだなと思います。

佐藤:今はフリーランスという働き方への関心が高まっていると感じているので、こういった実体験のお話は貴重だと思いました。フリーランスの場合は男性が中心でまだ女性の方は少ないように感じているのですが、この点について何かお考えの点はありますか?

かなみん:まだまだ女性のフリーランスのロールモデルが少ないと私も感じています。女性は特に身近にロールモデルがいないと不安を感じる傾向が強いという専門家の話を聞いたことがあります。
ただこれからは「ロールモデルがない時代」になっていくと思います。だから、「自分がいい」と思ったことをやり続けることが大事なのではないかと感じています。
私の場合「自分らしく働こう」と思って仕事をしているのであって「特別な能力があるから働こう」と考えているわけではないんですよね。「自分の人生を選択することは誰にでもできるよ」ということをキャリアについて考えている女性向けに発信もできたいいなと思っています。

画像2

佐藤:いいですね。あと岩田さんは普段からいろんな人からのサポートがあるように感じました。そのような人間関係を築くことができた要因は何だと思いますか?

かなみん:積極的に環境を変えていろんな方と関わることをしていました。でも一番は会社を辞めたことが大きいです。私が知り合った社外の人に理解者が多かったように思います。コワーキングスペースや身近にいる人は、私が「こういうことしたい」と言うと「いいね」と言ってくれる人が多いです。多様な価値観を持った人と接点を持つことができているのは大きいかもしれません。

佐藤:素晴らしいですね。根本的な問いになりますが、「コミュニティ」とはどんなものだとお考えですか?僕自身もコミュニティに携わる仕事もしていますが、いまいち「コミュニティ」という言葉の定義が思い浮かばなくて聞いてみたいと思いました。

かなみん:「人に出会って自分に出会う場」だと思います。「1人だと自分のやりたいことができないと感じている人」や「人に会って自分自身の新たな気づきを得る人」も多いと思います。そう感じている人がコミュニティを通じて自分の人生を受け入れるようになってくれたらいいなと思っています。

佐藤:「人に出会って自分に出会う場」というフレーズとても素敵ですね!「コミュニティとは何か」ということをコミュニティ関係の活動をしている方に質問した場合、明確な回答が返ってくることはほぼありません。でも岩田さんははっきりしていますね。合わせて聞いてみたいのですが、人はなぜコミュニティに集うのだと思いますか?

かなみん:魅力がある場所に人は集まるので、コミュニティが価値のある場所だと人が集まるのだと思います。ただコミュニティを作るだけでは人は集まらないですし、主催する方も続かないと思います。価値の定義をはっきりさせることが大事です。まず旗があってその後にその旗を上げ続けるために型があるという感覚です。

佐藤:とても学びになる視点だと思いました。岩田さんはコミュニティにまつわる活動をして受け取っているものは何だと思いますか?

かなみん:人生の豊かです。コミュニティにまつわる活動をしていて「自分らしくいていい」と感じられるようになりました。一方で貿易事務の仕事をしていたときは「自分の居場所がない」感覚がありました。人とのつながりが人生の豊かさに直結するなと感じています。フリーランスになってからの方が孤独ではないですね。最近だと「トイレットペーパーがない」と言ったら「うちのを使って」と言ってくれる方がいて、とても嬉しい気持ちになりました。

画像4

佐藤:素敵なエピソードですね。コミュニティといえばコロナウィルスの関係でまさに今求められているところだと思うのですが、この点についてどうお考えですか?

かなみん:まさに今こそコミュニティの力を発揮するときだと考えています。今までいろんな人に助けてもらえたので、これからは返していきたいと思っています。困っている人とスキルを持っている人とをつなげるような産業をこれから作っていけるのではないかとも考えています。
今だとオンラインで朝活や飲み会、バーチャルコワーキングなどをやっています。他にもコワーキングの会員さんに困っていることを質問してお手伝いできることを聞いて何かプロジェクトができないかとも考えています。複数のコミュニティに関わっているので、コミュニティ間の橋渡しのようなこともできたらと思っています。

画像3

佐藤:すでにコロナショックで困っている方のために様々な活動をされているのですね。女性の方だと特にフリーランスになって自分の好きなことを仕事にしたいと考えている方が多いのではないかと思うのですが、そういった方に向けて何かメッセージなどありますか?

かなみん:私はフリーランスになろうと当初は思っていませんでした。手段は何でもよくて結果的にフリーランスがよかったという要領です。フリーランスはあくまで手段であって「好きなことを仕事にする=フリーランス」ではないと思います。仮に今やっていることが正社員でできるならそれでも満足です。
また、好きなことを仕事にしたいと思ったら、小さいことから始めてみるのがいいと思います。ココナラ、クラウドワークスなどを利用してみるのも1つの方法ですし、人に聞いてみたり朝活に参加するのもいいと思います。 
あとは、自分を助けてくれる人を見つける視点も大切だと思っています。私はお付き合いしている男性に自分が自由な働き方をすることを伝えると同時に、何かしら社会的な保障になってもらえないか相談しました。彼と話し合った結果、扶養に入る形で彼とは事実婚をしています。

佐藤:働き方を働き方だけの視点でみたら解決策は出てこないのかもしれないですね。人生全体の中で仕事を位置付ける視点が大切なのではないかと感じました。

かなみん:キャリアは仕事だけでなく「家族」や「生き方」といった「広い意味でのキャリア」を考えて、「10年後どうなりたい」、「どう生きたら幸せなのか」という問いに向き合うことが大切だと思いますし、これからも考えれたらいいなと思っています。

佐藤:好きを仕事にするという関連でのお金のお話でしたが、他にお金という観点で何かお考えの点はありますか?

かなみん:お金については、少なくとも今は必要最低限のお金が手に入ればいいと考えています。本当に大事なのは豊かな人間関係だと思います。
小学生の頃、実は私は玉の輿志向だったんです(笑)。両親がお金で揉めることがあり、その原因がお金だと思ってのことでした。でもよく考えたら問題は、お金ではなく建設的なコミュニケーションが問題でした。他の問題をお金のせいにしていたことにあるとき気がつきました。そういう体験もあり、豊かな人間関係できたら必要最低限のお金は手に入ると今は感じています。

佐藤:お金は本質的な部分を覆い隠してしまうところがあるのかもしれませんね。その視点は私も気をつけたいなと思います。本日はありがとうございました。

かなみんさんのHP等

https://note.com/kanamin823


この記事が参加している募集

お金について考える

これからの時代に必要な職業観とお金観について考えるヒントになる方や本について紹介しています。いろんなタイプの方を取材しているので、よかったらフォローお願いします。