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都内にて人材育成と組織開発のお仕事をされている加島一男さんへのインタビュー


今回は、都内で人材育成と組織開発のお仕事をされている加島一男さんに取材をさせていただきました。

加島さんとお話していて気になったポイントは、「収入源の分散」「お金と時間」との関係性です。

1つの仕事だけをしている場合、何かあってその仕事ができなくなると、生活が苦しくなります。コロナウィルスの騒動で、今まさにこのことを痛感されている方も多くいらっしゃるのではないでししょうか?

また、仕事をしてお金になるタイミングは仕事によって異なります。資本社会では、それを短くすることが強調されます。しかし一方で、すぐにお金にはならなくても、どこかのタイミングでお金になることもあります。

ここから出てくるパーソナルベーシックインカムという考え方は個人的にもとても勉強になりました。

以下、インタビュー記事です。

佐藤:本日はよろしくお願いします。今までどんな仕事をされてきたのか教えていただいてもよろしいでしょうか。

加島:私の社会人生活は、システム開発会社から始めました。その後、転職を経て、2011年に独立しました。業績向上のための人材育成や組織開発のしくみしかけつくりが主な事業です。

佐藤:仕事で大事にしていることやお金観は昔と今で変わりましたか?

加島:仕事で大事にしていることは、他者貢献と自己実現の両方を同時に行うことだと考えています。それは仕事をはじめてからこれまで変わらない考えです。

お金については、30代で新規事業プロジェクトを担当することになり、売上や収益を求められたことで、考え方を変え無ければならなくなりました。それまでは、お金を稼ぐことは、自らの利益のためであり他者の利益を搾取するような罪悪感にも似た感じがありました。この罪悪感は、新規事業開発という仕事への情熱や注力を阻害することとなりました。この時、自らの利益を他者に還元する方法の一つが納税であることを思い起しました。これなら、事業を成功させる自己実現と、利益をあげ納税する社会貢献の両方を満たすことができます。ただ、個人レベルでのお金に対する意識はまだ変わっていませんでした。

佐藤:それが変化したのは何かきっかけがあったのですか?

加島:サラリーマンを辞めて自営を始めた頃、継続的に収入が得られないこが、私を精神的に追い詰めました。収入の額というより、継続的でないという点です。何でもないことでイライラし、自己を責め、家族にあたり、今思い返しても最悪でした。そんな時期が3年ほど続きました。その後、比較的長期の業務が入り一時よりは、収入が継続的に入るようになりました。しかし、契約終了とともに収入が途絶えるので、その不安が完全に解消されたわけではありませんでした。さらに、一人で事業を行うことで、健康面での不安もありました。

佐藤:そのときに具体的にどんなことを考えられたのですか?

加島:複数の収入源を持つことと、労働に依存しない収入源を持つことの2つを実現したいと考えました。例えば、サラリーマンは継続的な収入がありますが多くの方は、収入源は一つですし、その収入は労働の対価として得ています。サラリーマンを辞めたて自らの事業できる立場になったので、サラリーマンと同じでは面白くありません。継続的な収入を、複数の収入源から不労働型で得ることを考え始めました。

これは、個人資産を分散して投資するポートフォリオの考え方を、収入に置き換えたものです。インカムのポートフォリオを考えると言えます。そう意識してからは積極的に労働型の業務の中から、不労働型の事業を見つけ出し切り出すようにしました。

現在でもまだ収入の3分の2は、労働型の事業に依存しています。しかし、その収入を得るために使用する時間の割合は、5分の1程度となってきました。残りの5分の4を、不労働型の事業開発や調査研究に充てることができてきました。今後、ますます不労働型の収入を増やせる期待があります。

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佐藤:加島さんにとって仕事とは何ですか?

加島:サラリーマンの時と比べて、時間の使い方やその意識が全く違ってきました。サラリーマンやその後の3年間は、すぐ収入につながる労働を仕事と考えていました。しかし、現在は、すぐ収入に繋がらない事業開発や調査研究も仕事と考えています。更には、収入につながる目途は現時点ではないけど将来、ひょっとして収入になるかもしれないことも仕事と呼ぶようにしました。つまり、私が仕事だと言えばそれが仕事です。今では、時間を使うことのほぼ全てが仕事となりました。

例えば、他人から見たら趣味に見える庭いじりや畑いじりも、私は仕事と呼んでいます。もちろん、収入は有りませんが、将来何かの縁で、生産者として野菜を売ったり、農作業の本を書いて出版したり、農業体験のイベントを企画することも可能です。そのために、今は無収入で調査研究や事業開発をしていると考えています。

こう考える、全てのことが、仕事と言えます。労働型は、時間の投資に対して比較的直ぐに収入として回収できる、事業開発やましてや趣味は、時間の投資に対してかなり遅れて収入として回収できるかも知れない、という違いだけです。

佐藤:全ての活動が仕事という着眼点はとても面白いですね。事業開発や趣味は、投資に対してかなり遅れて回収されるということですが、それを待つのは大変ですね。この点における工夫は、どの様にされていますか?

加島:確かに投資回収までの期間が長いと、それまでは収入がありません。その期間、安定的に生活を可能にするために「パーソナルベーシックインカム」を作ります。実は、サラリーマンは、このパーソナルベーシックインカムを持っています。サラリーマンとしての収入そのものが安定的に生活をするためのパーソナルベーシックインカムです。このパーソナルベーシックインカムがあるうちに、事業開発や調査研究を行うことが重要だと考えています。
最近は、幾つかの企業で副業が認められています。本業に費やす以外の時間を、副業として更に労働に費やしたら、いつ不労働型の収入をつくるのでしょう。パーソナルベーシックインカムを持っているサラリーマンだからこそ、本業以外の時間を、不労働型の事業開発や、そのための調査研究にあてることをお勧めします。
不労働型の収入と言えば、従来から金融商品や不動産への投資があります。これらは、自身の保有する現金や株などの流動資産や不動産などの固定資産を元手としています。いま私が着目しているのが知財を元手としたものです。知財とは、自身の経験やノウハウを基に商品やサービスを開発し販売するという事業です。従来は、ノウハウを書籍にして販売するなどが主流でした。最近では、電子書籍や動画コンテンツを自分でも簡単につくれるようになり、更にインターネットで簡単に販売することができます。また、趣味で商品を製作し、インターネットで販売することもできます。さらにオリジナル商品を、これもインターネットで製作してくれるところを探して、小ロットからでも製造が可能となりました。私は、その様な方法で、オリジナルのTシャツやトートバッグを販売しています。

佐藤:とても興味深い考え方ですね。そのようなお仕事とお金の関係について、お聴かせいただけますか?

加島:自分で不労働型の事業をするということは、お金を得るしくみを作ることでもあります。これには、事業とお金の関係をキチント理解する必要があります。私は、人材育成の仕事をしています。育成の視点から、お金について3つの教育を想定しています。「稼ぐ」「貯める」「使う」です。
「稼ぐ」とは、どの様な職業や職種で働いてお金を得るかという、キャリア教育の視点です。大学などで、就職活動の一環で自己分析を行いどの様な職業や職種に就きたいかを考え教育です。最近では、「13歳のハローワーク」が示すように若年化の傾向と、人生100年時代を迎えシニア層の再キャリア構築の傾向と、上下に広がりをみせています。

「貯める」とは、稼いだお金を賢く貯め賢く使う方法を学ぶ、消費者教育の視点です。消費者教育については、消費者庁が「消費者教育ポータルサイト(https://www.kportal.caa.go.jp/)」を用意し、いろいろな情報を載せています。
「使う」とは、稼いだお金を投資し新たな価値を創りだす方法を学ぶものです。ここには、主に金融商品や不動産に投資しお金を増やす投資家教育と、自身で新たな事業を起こしお金を稼ぐ事業家教育の、2つがあると考えています。

自ら事業をするためには、最後の事業家教育が必要です。キャリア教育では、何をするか(What)を対象にしています。事業家教育では、どのようにするか(How)を対象にします。このHowを知らないと、いつまでも他人に使われる働き方のままです。

労働型でお金を得ていると、将来労働できなくなることへの不安から、できるだけ多くの貯蓄をする戦略を取ることになります。これが、お金を得ることが目的になり、お金に時間を奪われていく背景と考えています。不労働型でお金を得る仕組みを創れれば、その様な不安から解放され、お金に時間を奪われなくなります。得た時間とお金で、豊かな生活をおくれるようになります。

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佐藤:ありがとうございます。最後に、加島さんにとってお金とは何ですか?

加島:私にとってお金とは、豊かに暮らすための要素の一つです。今までの経験から、収入が不安定だと、日々の生活が荒れました。労働型では、時間が奪われていました。お金を稼ぐしかけをつくりパーソナルベーシックインカムがあれば、豊かに暮らす時間もでき、そのためのお金も得られます。

佐藤:参考になるお話をたくさん伺うことができました。本日はありがとうございました。

加島さんのHPやSNS
� インカム・ポートフォリオ・マネジメント協会(Facebook):https://www.facebook.com/IPM.Japan/
� インカム・ポートフォリオ・マネジメント協会(研修プログラム):https://ipma.peatix.com/view


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