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バリ島でwebデザイナーをされている福岡典子さんへのインタビュー

今回は、バリ島にてwebデザイナーをされている福岡典子さんに取材をさせていただきました。

福岡さんとお話していて感じたのは、「常識」を疑うことの大切さです。バリ島に行って新しいライフスタイルを確立できたのは、前提としてそういうマインドがあったからこそではないかと感じました。

さらには、稼ぐ力を持つことの大切さです。稼ぐ力があれば、老後資金を現役時代に必ずしも全て備えなくてもよいと考えることも可能です。言い換えれば、老後に備えて必要なのはお金に加えて稼ぐ能力もあると言えると思います。また、稼ぐ力があると将来をいい意味で楽観することが可能で、お金の不安に駆られる心理的ストレスも少なくなります。

私自身、福岡さんのお話を聞いただけで既成概念が崩れたような感覚になりました。

それでは、以下インタビュー記事です。

佐藤:海外から調整し時間を作っていただき、ありがとうございます。本日はよろしくお願いします。最初にどんなお仕事をされてきたのかを伺ってもよろしいでしょうか?

福岡:もともとは東京のインターネット系広告代理店でwebデザイナーとして働いていました。退社後はフリーランスとなり、今もノマドでwebデザイナーを続けています。

佐藤:現在インドネシアのバリ島で生活されているそうですが、なぜバリ島へ移住することになったのですか?

福岡:バリ島へ移住した目的は娘の留学です。たまたまバリ島に面白そうな学校があると知り、1年間だけですが家族で移住して通わせることにしました。私も夫もフリーランスなので海外移住の障壁が低かったんです。

佐藤:フリーランスならではのフットワークの軽さですね。ちなみに娘さんの通われている学校はどんな学校ですか?

福岡:「グリーンスクール」という環境問題に取り組む次世代のリーダーを育てることをテーマにした学校です。自然に溢れた学校内ではプラスチックは一切使われていません。給食は自前のパーマカルチャー畑で獲れた野菜を使ったヴィーガン食、お皿はバナナの葉、トイレはコンポスト式、校舎は美しいバンブー建築、とても革新的な取り組みで世界から注目されています。校舎には基本的に壁がないため、子どもたちは常に自然を感じながら環境について学んでいます。(インタビューは1月時点のものです。現在はコロナの影響で学校はクローズし遠隔授業になっています)

グリーンスクール

佐藤:日本の学校とも外国の一般的な学校とも違いますね!とても魅力的な学校だと感じました。確かに家族移住してでも通わせたくなる気持ちは分かります。バリ島へ留学されてから娘さんの変化は感じますか?

福岡:ずっと外で遊んでいるので生傷が絶えずたくましくなりました(笑)。学校では最初は英語が分からず大変そうでしたが、半年ほどですっかり話せるようになりました。毎日楽しそうに学校へ行ってお友達とお喋りしています。娘は4歳ですが、成長の早さに驚かされます。

お子さん

佐藤:小さい頃からこのような教育を受けられるのは、とてもいいですね。僕自身も子どもの頃にこういった教育があったら受けてみたかったです。バリ島に来てライフスタイルがだいぶ変化したのではないかと感じたのですが、実際にいかがですか?

福岡:カルチャーショックだったのは「自分のために当たり前にアウトソーシングを活用する」という事です。バリ島では人件費が安いこともあり、多くの外国人居住者は家事ヘルパーやベビーシッターを雇っています。それも仕事のためにやむなくではなくて「自分の」時間を楽しむためにです。(自分がサーフィンに行きたいために子どもの送迎をドライバーに任せるなど。)「あ、自分の楽しさを最優先していいんだ」とハッとしました。私は家事ヘルパーを雇っていますが、本当に日々の暮らしが楽しくなりました。

ダンス

佐藤:バリ島にそんな一面があるとは思いもよりませんでした。バリ島生活は1年のご予定とのことですが、これからはどんな暮らしをしていきたいとお考えですか?

福岡:日本に戻ったら田舎に住もうと考えています。家庭菜園を造り、鶏を飼い、家族が食べられる程度の自給自足生活をしてみたいです。夫は狩猟免許を取得してジビエ肉を食卓に取り入れたいとも話しています。もちろんフリーランスのwebデザイナーは継続し、自分の仕事場をノマドの集まるコワーキングスペースとして解放できればいいなとも思います。

佐藤:素晴らしいですね!すでに具体的なイメージができていらっしゃるなと感じました。もうご自身の理想のライフスタイルをお持ちなのではないかと感じたのですが、生活を送る上で大切にしたいことは何かありますか?

福岡:ざっくりですが、「消費」より「創造」に重点をおきたいと思っています。買い物などの「消費」はとても楽しいですが、楽しさを継続させるためにはたくさんのお金が必要です。そして、お金を得るためにたくさん仕事をしなければいけません。一方「創造」はそもそもそれ自体が継続しています。たくさんのお金を用意しなくても楽しさを継続させることができます。暮らしを「創造」にシフトするとあまり働かなくてもいいかもしれない、と気づいたんです(笑)。まだはっきりした答えは出ていませんが、「豊かな暮らし」をキーワードに夫とともにこれからの暮らし方を模索しています。

農園

佐藤:「創造」という感覚は、日本で生活をしている人にはあまりない発想ではないかと思いました。会社員時代はインターネット系の広告代理店で、かなり忙しく働かれていたのではないかと思うのですが、今はなんだか正反対ですよね。今のような感覚は会社員時代からお持ちだったのですか?

福岡:日本で仕事をしているときから、忙しさはありつつ「人に合わせないで生きる」という環境内にいて、知らず知らずのうちに自分なりのスタイルを大事にする生活をしていたように思います。会社員時代は何も考えずがむしゃらに働いていました。仕事自体楽しかったですし、自分にも合っていると思っていました。お給料もそれなりにありましたし。ただ、あまりに働きすぎて疲れてくると「私はなんのために働いてるんだろう」というような感覚になる時がありました。その後、東京を離れフリーランスとなり、少しずつ知見が増えて視野が広がるにつれて、今のような「のんびり」な暮らしの方が、自分に合っているのではないかと思うようになっていきました。収入は減りましたけどね(笑)。

ジャクジー

佐藤:楽しいけれど忙しすぎる暮らしを離れることで、新しい考えが芽生えてきたのですね。収入が減ってもフリーランスとしての働き方を継続されていますが、お金についてはどのような感覚をお持ちですか?

福岡:お金は「少し必要だけどたくさんは必要ないもの」と思っています。今は意図的に仕事量を少なくしています。保育園と違って娘が早く帰ってくるため、仕事時間がそもそもあまり取れないという事もありますが、「お金がなくなってもなんとかなるだろう」という感覚があります。仕事を減らせば得られた時間で新しい事にチャレンジが出来ます。畑に種をまいていて野菜を収穫できます。鶏を飼って卵を産んでもらえます。それで最低限は暮らしていけますし、その気になればクラウドソーシングを活用すればすぐに仕事は得られます。そんな暮らしをずっと継続していけば「老後」という概念は少なくなっていくだろうし、老後資金で不安になる事も減ります。幸運なことにwebデザイナーはクラウドソーシング向きなスキルなので、そういった考え方への移行は比較的スムーズでした。

佐藤:既成概念を崩してくれるお話が満載でした。本日はありがとうございました。

福岡典子さんの運営されているHP
https://note.com/corinco


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