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ブランドのエッセンス(後編) 対談者:ベンチャーリンク USAマネージングディレクター 村井 芳郎様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote編集担当 朝永です(^-^)

今週のヒューマントークは、先週ご紹介したベンチャーリンク USAマネージングディレクター 村井 芳郎様とのトークの後編です!

前編はこちらからチェックできますので、まだ読まれていない方やもう一度読みたい方は下記リンクからご覧ください♪

※対談の本文は、2004年10月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


ブランドのエッセンス(後編)

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<ヒューマンニュースレターVOL.20(2004年10月発行)より転載>

ベンチャーリンク USAマネージングディレクター 村井 芳郎 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲

村井:基本サービスとアメリカでのホスピタリティ、接客の場面での笑顔とか挨拶とか、日本のホスピタリティはすごいしアメリカとはまた違った良いところがありますね。

私は牛角という店を100%資本でアメリカでやっているのですが、日本のホスピタリティをアメリカにもってくるとすごくびっくりされます。そこはフレッシュだから受けるということもよくあることなのですが、日本のカルチャーとかホスピタリティの考え方を忠実にもってくるそれだけでもアメリカでは差別化できますね。その上にアメリカ的なホスピタリティを加味していくと日本でしか通じなかったことがアメリカでも通用できる、そうすると世界に通用できるように変わっていきますね。

CS(カスタマーサティスファクション=顧客満足)の中でよく、エクスぺクテーション(期待度)を超えればお客様が感動もするし、CSが100点に上がるということを言いますね。エクシードエクスぺクテーションとよくアメリカでは言いますね。


期待を超えるということ。期待度を超えないとCSは上がらないと・・・期待に答えるだけではいけないのですね。お客様が期待しているということを満たしてあげるというのではまだ不十分、またそこから1%でも10%でも超えると感動するのです。実は日本のものを持ってくるとそれができる。逆にアメリカでやっていることを日本にもってくると、皆さんの期待度よりも上がるのかもしれないということが言えますね。

広池:昨日のことなのですが、メキシコ料理店で食事をしていて、担当されたウェイターの方が、ハッピーバースデーのケーキを持ってきてくださって、その場をすごく盛り上げてくださいました。その場にちょうどバースデーの人がいたわけでもないし、ケーキを頼んだわけでもないのですが、お料理がおいしかったので、それだけでも満足していた矢先の出来事でしたし、まったく予想しなかった出来事でしたのでとても感動しました。お客様に満足していただくには、お客様の期待度のラインをちょっとでもあげてやるとそれはすごい感動になるんだなぁと思って今聞いてました。

村井:本当に1%だけ上げただけでも、その人はビックリするんですね、それが99%で終わってしまったらその方はがっかりされます。感情ですから、はっきりしてますよね。アメリカ人の表現の仕方は非常に上手ですね。これは小学校のころからものすごく訓練されるんです。

学校の先生が生徒たちに「朝起きて鏡の中で一番いい笑顔をしてごらん、それを毎日毎日すれば絶対いい笑顔ができるから、そしたら対人関係の中でとてもいい関係が築けるから」と指導するんですね。確かに最初にあったときにブスっとしているよりも笑顔でパチッと印象つけたら違いますよね、それを具体的に言って練習させる。それくらい表現の技術を子供の時から身につけているんですよね。日本は違いますね、表現を殺してしまうということが多いですよね。

内海:逆に言えばチャンスがいっぱいありますよね。笑顔いっぱいの会社を目指せば。

村井:そうですね、80年に私はアメリカにきたのですが、来た頃はやっぱり違和感がありましたね。すれ違う人たちは「Hi!How are you?」と言って、みんな笑顔で、女の子もみんな笑顔で・・・、「あれ?気があるのかな?」って思ったりして(笑)

エレベータで違うのは日本ならシーンとして下向いてしまい、ちょっとでも音をたてると居づらいみたいな感じですが、アメリカは入っていくと目と目を合わせて「ハーイ」とか「こんにちは」とか言いますね。

それは二つ意味があり、友好的にフレンドリーな空気を作っていこうということと、もう一つは自己防衛ということですね。これだけ人種が色々いるし、相手がどんな人かわからないから入ったときに声をかけてみて、笑顔で声かけてくれると「あっこの人はフレンドリーな人だ」、声かけて横向いたりされると「ちょっと用心しなきゃ」とか・・・確認する作業でもあるとよく言われることなのです。日本はそういう心配がないからなのでしょうね、平和だし、友好的だし、入っていったときに挨拶しなくてももう相手に素性はわかっているしみたいなね。

林:自分のブランドということで深く掘り下げて考えると自分というのをわかっていたかなと言うとまだまだだなと思いました。表現をすることに対しても自分の中の枠を飛び越えることができずにいました。

アメリカの人たちとコミュニケーションをとる中で、はみ出しすぎもいけないのですが、もうちょっと感情の入った自分なりの表現にもっていかなければお客様の期待に超えることはできないと思いました。

村井:そうですね。この3つのPは自分から発信しないと伝わらないですね。

井手:私は経理の仕事をしていますが、経理というのはただきちんと数字をあわせ、日々のお金をきちんとしておけば、自分は別に個性とか特徴とかを出す必要がないというふうに思っているところがありました。今回3つのPで思ったのは、自分たちが経理としてのアピールをほとんどしていないという事がわかりましたので、小さいながらもアピールして、自分のブランドを作っていこうと思いました。

村井:給料扱っていらっしゃるならあの方に頼めば安心とかって言われることはすごく大きいですよね。任せておけば安心というそういうブランドができあがっていけば、皆さんがサポートもしてくれるし、ドンドン仕事をもってきてくれるでしょうね。

松尾:一人の教習生が入校されて、卒業されるまでに約30万ほどかかります。1回の教習は50分で約5000円弱かかり、2回教習をすれば、ニューヨークで観たミュージカルライオンキングのチケット代金と同じです。

そのライオンキングを観て私はかなり感動したのですが、同じように教習で生徒さんに感動を与えているかどうかと考えてしまいました。いまはまだまだですが、でもいつかはそのレベルまで高めていきたいと思います。私のモットーは楽しい授業プラス合格率も高い、あの先生に教えてもらったら安全意識も高まるというふうに満足いただける教習をすることだと今日つくづく感じました。

村井:お客様は指導員を指名されるのですか?

内海:そうです。指名制度をしております。どれだけ指名をもらったかが人事効果なのです。指名をもらうためには在校生との信頼関係が大事ですね。圧倒的に卒業生からの紹介が多いのですから…。だから在校生の満足度を高める事が、ひいては自分の人事考課結果をだすことに繋がるのです。

村井:まさに自分が選ばれないと進めないですね。

中嶋:私は教習閑散期になりますと営業をやっているのですが、お客様がヒューマンに入校しようか他校に入校しようか迷われている方とよくお会いします。当社を選んでいただくように一生懸命、お客さまとお話していくと、例えば「社員教育はばっちりできてますよ」と言ってもお客様はわからない、来社されて初めて当社のブランドがわかっていただけます。それが、次の年の高校生や大学生に伝わって、ご入校していただけます。まさにブランドということがすごく大事なものだとわかりました。

村井:ブランドというのはまさにその製品を使ったことが無い人が、そのブランドの信頼感をもっていれば買うわけですよね。新規顧客がそこで開拓できる、それはブランドの一つの力ですよね。

ほかにもまだありますね。少し高く売る、同じ製品であればブランドの効果でプレミアムというか少し高く売れるということもありますよね。新規顧客開発というのはブランドのすごく大きなパワーですね。今まで行ったことがないけれどもみんながいいと言うのだからいいんだろうと、今からのイメージで新規顧客になるんですね。

内海:今回USA研修に参加したスタッフは、研修前日遅くぎりぎりまで業務をしてました。これは今後の反省点なのですが、ぎりぎりまで業務をやってくれる嬉しさと、逆にぎりぎりまでやらないといけないしくみを作ってしまっているということなのですね。最終的には一人一人の個性集団を作っていきたいのですが、しかしその前に基本ができないといけないのです。ロッキー青木様が食事しながら言われたのが「Where are you from?(出身どこ?)と厨房で仕事をしている人に聞くと、「I'm from my Kitchen. 」という風に答えるように統一されていました。そういう風に最低限の部分を越えたところが個性ということですね。

松尾:アメリカにきてアメリカ人のやさしさに感動してますますアメリカが好きになりました。


村井:日本企業の社長さんとかオーナーの方が、視察で一週間ほどアメリカに来られるのですが、帰る間際に「なんだアメリカってこの程度か、何も得るものがなかった、日本の方がもっとすごいや、日本がもっとすぐれている」と言って帰っていかれる方がいらっしゃいます。

そういう時は「一週間アメリカにいて、何も得るものがなかったんだな」と見送るときに気の毒に思いますね。もちろん日本のいいものを身につけて来られるのですが、そこには無いアメリカのよさを発見されたらいいけれども、逆に日本が素晴らしい日本がいいっていうことだけを確認するだけに来たのでは、半分は目的を達しているけれども半分は目的を達成していないのではないのかなとよく思いますね。

せっかく来たんだから一週間の間に自分のよさは置いといて、もっとアメリカのいいところを吸収して帰るとプラスアルファーあるかと思うのですが・・・(笑)

村井芳郎氏:ベンチャーリンクUSAマネージングディレクター LOS在住

※内海:ヒューマングループ 社長
 松尾:ヒューマンスクール早岐 教習指導員
 中嶋:ヒューマンスクール松浦 教習指導員・営業
 林:ヒューマントラベル 営業・添乗員
 井手:ヒューマングループ 経理
 広池:ヒューマングループ 企画


朝永のつぶやき

最後までご覧頂きありがとうございます!ここからは、編集担当がトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです。

今回も「ブランド」についてのお話をベースに、アメリカと日本の表現の違いやブランドを確立することで生まれる効果についてお話していただきました。

後編を読んでいても感じましたが、外国人の方々のフレンドリーさというのは本当に素敵ですよね(*^-^*)

街中でも、すれ違ったり偶然目が合っただけなのに皆さんとってもいい笑顔を向けてくださったり、手を振ってくれるのでつられて笑顔になってしまいます。

マスクをしていて表情が見えない今からこそ、以前よりもっと笑顔を意識しなければいけませんね!

「笑顔が素敵な人」「スタッフがみんな笑顔な会社」というだけでも、ブランドとして輝く要素のひとつになるのではないかと思います(^o^)/

それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう♪

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