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その声がどこまで届くかは、語尾で決まるかもしれない。

最近、ひそかに気になっていることがある。

それは、芸人さんのエピソードトークでの語尾だ。


例えば、ある日のアメトークでの一幕。

「M-1グランプリ…」

「M-1グランプリという大会で…」

私が見る限り、他の番組でも全ての芸人さんが後者で話す。


M-1グランプリは、一番面白い漫才師を決める大きな大会で、お笑いが好きな人はもちろん、あまり詳しくない人でも知っている人は多い大会だと思う。

芸人同士で話しているんだから、M-1を知らない人なんて1人もいないし、「M-1で…」って言ってしまっても何も問題はないはず。

些細なことかもしれないけど、それでも「という大会で…」と言うことによって、知っている人だけでなく、知らない人にも届いてほしいという内なる気持ちが伝わってくる。

人に伝わる、伝えるって、こういうことなのかなと思う。

仲間はずれを作らない優しさ。

伝えたいという熱意。

そういう気持ちが、たった一言だけでもさりげなく伝わる。


横文字や専門用語を多用して、相手を置いてけぼりにしていることに気づかない人、気づいていてもむしろその状況に優越感を感じて、マウンティングしてくる人も少なからずいる中で。

本当にすごい。

人を笑わせたいという気持ちの強い芸人さんだからこそ、よりそういう気持ちが強いのかな。


どう話せば、どういう人たちまで伝わるか、そういう広い視野を持ちながら、面白いことをして笑わせる。

改めて、芸人さんのすごさを感じた。



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