「ライジング インパクト」鈴木央
打ち切りからのまさかの復活、そして20年越しのアニメ化
皆様、こんにちは。ひろつかさです。
今回の古面白い漫画はNetflixでアニメ化も決まった「ライジングインパクト」です。
さて、この漫画ですが、ジャンプ史上類を見ない作品で、一度完全に終了し、その後再開した作品です。
自分が知る限りでも打ち切り後に復活した漫画はリアルタイムで追っていたものではこの作品だけです。
（話で聞くのでは「よろしくメカドック」もそうだったそうなのですが、後から読んだので、当時の状況は知らず...…）
しかも円満終了ではなく打ち切り終了。その後復活したものの最後も打ち切りとジャンプの編集部に振り回された作品といえます。そんな本作、上でも書きましたがなんとアニメ化が決まりましたので今回はその記念も込めて取り挙げていきましょう。
どんな作品？
山奥で祖父と二人暮らしをしている元気でプニプニな小学三年生・ガウェイン。「世界一の飛ばし屋」を夢見て、日々友達と野球でホームランの飛距離を競っていた。ある日、プロゴルファーの西野霧亜と出会ったガウェインは、初ショットの感触に魅了される。ゴルフの楽しさを知り、本気でプロになるため霧亜を頼って上京するのだが…!?
（集英社HPより）
流れとしては少年がゴルフと出会うことで始まる物語なのですが、そこから話が進むにつれて発覚する才能、亡き親との関係、ライバルとの成長。
正にジャンプ漫画の王道といった展開です。
それこそ今の「なろう系」といわれるものがそれぞれストーリーに類似性が高く安定感があるという点でストレスなく読めるのと同じように、ジャンプ漫画として安定感があってとても読みやすいと思います。
何より今の漫画にありがちな過度なセクシー描写が少なく、極まれにお風呂シーンがあるかないかといった程度。
最近、ジャンプやマガジンなどの普通の少年漫画でも露出度の高い服のキャラクターや、そういったイメージを想起させるような描写が多分にある作品が多い中、子供でも読みやすい作品だと思います。
おすすめポイント
先ず一つ目は前回の「拳児」と正反対なファンタジー要素が多分にあるバトル（試合）というところです。
ゴルフというものはライバルとの戦いはもちろんですが、そこで勝つためにはコースや風雨といった自然環境に対してどう戦っていくかということが重要かと思います。
多くのゴルフ漫画では、それに対してメンタルだったり、自分の特技で対抗していくのですが、その「特技」というものを非常に昇華しているのがこの漫画。リアリティがないと言ったらそれまでなのですが、ゴルフをやっていない人間が読むには非常に分かりやすく、正にバトル漫画！といった勢いを感じられます。
二つ目は自然広がるゴルフコースの美しさです。
本作品の作者である鈴木央先生は、その後の作品として「七つの大罪」や、その続編「黙示録の四騎士」といった中世ヨーロッパを元としたファンタジー漫画を多く描いています。
今の作品の中では冒険漫画としてバトル描写などのカッコよさはもちろんあるのですが、何より舞台となる街並みや森などの世界の表現がとてもきれいなのです。
もちろん、このライジングインパクトも例外ではなく、自然あふれるコースの広さ、風や樹木が作るハードルの高さなど、ゴルフ場に一度でもいったことがあれば感じられる爽快感が描かれています。
これから始まるアニメではそういったところがどのように描写されるのか、非常に楽しみなところですね。
私自身、これをきっかけにゴルフというよりもゴルフ場というものに興味を持ちました。
実家の裏山にゴルフ場があったので、友達とこっそり忍び込んで芝生でゴロゴロしたり遊んだりしたのを今でもよく覚えています。
見つからなくてよかった。見つかったら怒られてたなあ...。
最後に
ということで今回はアニメ化も決まった「ライジングインパクト」を取り挙げました。
無関係ですが最近「オーイ！とんぼ」というゴルフ漫画を読んでいます。
ゴルフ漫画は自分と相手だけでなく、自分と自然、自分と自分という対峙すべき壁が多くあって話の広がりが多いのが非常に面白いですね。
ジャンプ連載、ゴルフ漫画というとで今連載している「グリーングリーングリーンズ」が完結してしまい、その前にも「Robot×laserbeam」が打ち切りになっていました。「ライジングインパクト」自体も2度の打ち切りを経験している作品ですので、中々ジャンプでゴルフ漫画が大成しないのかとは思いますが、今後もジャンプらしいゴルフ漫画が出てくることを期待しつつ、今回はここまでとしたいと思います。
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