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☆続21-3. これからの働き方って、、、フレキシブル&イノベイティブ、、、ですよネ!

その4. 試用期間について
日本の場合、法律に基づいた試用期間として一般的に知られているのが、就業開始日(契約開始日)から14日以内です。記事などで良く取り上げられるのは、組織が解雇できる期間として紹介されています。しかしながら、雇用契約は、そもそも働く人も簡単に退職できます。

最近、良く聞く3ヶ月から6ヶ月の試用期間というのは、組織が個別に制度化した仕組みとなります。私が外資系金融でHRをしていた20年程前から実際に日本でも運用されていました。長めの試用期間を導入したい理由は様々ですが、試用期間としての2週間は、”あまりにも短すぎる!”というのが理由でしょう。組織のみならず、働く人にとっても、組織文化、職務の内容、必要な能力やスキルを確認する為に、3ヶ月から6ヶ月という期間は、有益だと思います。また、就業開始日から一定の期間、トレーニングなどを行う期間としても利用できます。従って、3ヶ月から6ヶ月の有期契約制度を無期契約前に制度として導入する事により、お互いが納得して無期契約を行う事ができます。組織のみならず、働く人が、組織を評価する期間として非常に有効だと思います。

その5.産前産後休暇、育児休暇、介護休暇、公傷病休暇
まず、組織は、法律で認められているこれらの休暇等の制度は、最低満たす必要が有ります。その1~その3で説明した、フレキシブル&イノベイティブな働き方を提案している理由にも書いた通り、その理由は、ここにもあります。

人のライフサイクルは、様々な予期しない出来事も考えておかなければなりません。本人の能力や意欲だけでは解決できない、家族や周りの環境も組織には関わってきます。組織として働く人の、ライフサイクルに合わせた働き方を制度化するため、その環境を整える人事施策を検討する必要があると思います。

組織としては人材(雇用)=人件費にすぐに結びつくところだと思いますが、次世代タレントが、過去の人材と同じような価値観や優先順位で職業を選ぶ事は無いであろうと思います。組織のHRや経営層には、大きな課題となりますが、組織の定年制度が崩壊している現在では、タレント人材が望む優先順位が、変わってきていると思います。例えば:1.自らの能力を伸ばし、できる限りのスキルを短期間で身に着ける。2.昇進や管理職などより、スペシャリストとしての業務を選ぶ。3.自分自身で仕事とその他の時間の使い方を決定し、ライフサイクルとのバランスを取る。などです。組織には、ダイバシティマネジメントが早急に求められていると思います。

その6.退職金制度、私傷病休暇(組織の裁量で決定できるベネフィット)
退職金制度は、あたりまえの制度と思われている方もいると思いますが、実は退職金制度は、無くても良い制度です。

以前は、定年退職があたりまえであった為、定年退職後にまとまったお金を受け取る事で老後の安定を見込んでいたと思います。しかし、残念ながら定年退職という考え方が既に崩壊しているため、定年に関わる退職金も計画通りには受け取れなくなっています。また、組織にとって、従来型の退職金制度(退職一時金制度)は、積立金、運用リスク、中途退職の資金繰りなどが負担となります。これらの理由により、最近では、従来のものから確定拠出年金への移行がめだちます。

退職金制度としての確定拠出年金は、組織の責任だけではなく、働く人に資産運用の責任が生じる制度となっています。従来型よりも、将来受け取る金額は、不確定となるため、導入前に組織が働く人に運用についての教育をする必要があります。

次に、私傷病休暇ですが、これも組織独自の制度です。従って、規則に無くても良いですし、無給の制度で問題ないです。これからのフレキシブル&イノベイティブな働き方に、この制度は無給で良いと思います。

組織は、私傷病休暇の先に休職制度を設けており、傷病で仕事ができなくった場合に、一定期間の休職を認めており、その後復職ができない場合に退職となります。この休職制度があるのは、休職中に健康保険から傷病手当金が支払われる理由からです。

組織は、私傷病休暇の取扱いについても、規則や健康診断だけではなく、組織の考え方を周知しておく必要があります。メンタルヘルスにおいても、ストレスチェックだけではなく、働く人が自発的に予防できる仕組み作りが必要です。

尚、傷病手当金の制度は、組織が加入している健康保険組合や協会のホームページを参照ください。

その7.入社/退職
現在は、入社したら何らかの重大な決断がないと退職しない!、あるいは退職しない方が良い!みたいな暗黙のルールがあります。しかし、実際は、短期間職務から離れ、子供の成長を見守りたい、長期間休暇を取って海外旅行したい、勉強をしたい、期間は、わからないが両親の介護をする、など様々な理由により一定期間職務を遂行できないライフイベントがあると思います。これに対して、今までは、仕事があるから!という理由で諦めなければならず、仕事以外を優先する場合は、重大な決心をして退職するという風潮がありました。

この様な、暗黙のルールは、これからのフレキシブル&イノベイティブな時代には、合わなくなってきていると思います。仕事は、生活の糧として大切な収入源ですが、仕事以外も人生の中でとても大切なイベントです。後で後悔しても取り戻すことができない時間/物もあります。従って、これからは、仕事も、仕事以外にも柔軟に対応できる考え方が必要だと思います。何度退職をしても、同じ組織に復帰でき、社会に貢献できる文化や制度の環境整備が必要だと思います。その6、で説明した確定拠出年金型の退職金制度も複数回の入退職に対応しています。(但し、組織が確定拠出年金型の退職金制度である必要があります。)

次世代タレントが、違う組織で違う職務や経験をしたい理由は、転職を繰り返してきた私自身は、良く理解できます。組織や職務によっては、一つの組織に長い間在籍していても、学びに限界があると思います。タレント人材だから、可能性に挑戦したり、自分の好きな事だけを追求したり、スキルアップしたいと思うのです。

組織が人材を採用するにあたって、今現在も様々なバイアスがあります。性別、年齢、退職回数、退職理由など、数えきれない程です。この様な意味のない採用基準にエネルギーを使うのではなく、能力、スキル、職務、モーチベーション、価値観、文化などの組織が大切にしているビジョンやゴールを共有できる人材を是非探していただきたいと思います。

何度も繰り返しになりますが、これからの働き方は、組織が働く人を管理する時代ではありません。組織と働く人が協力をして、それぞれの働き方をデザインしていく時代です。そこには、大原則となるフレキシブル&イノベイティブな考え方が必要になると思います。実現に向けて、皆で一緒に変えていきましょう!


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