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アートと記憶

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2018年9月の記事一覧

アーティストとして認められる社会環境について

いよいよ3番目の自立の条件についてお話します。
1番目と2番目を可能にさせる社会環境についてです。

江戸も中期を過ぎると町人たちの経済活動が盛んになり、
100万人の人口を抱える世界でも屈指の大都市になりました。
信長や秀吉による経済的インフラの改革が、
徳川の時代に実を結び鎖国によって熟成した文化が育ちます。
この文化はそれまでに無かった町人たちによる文化です。

武士階級に支えられた

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アーティストとして認められるための1つ目の条件とは?

今日は、アーティストについてお話ししたいと思います。

近現代の資本主義社会において、

アーティストとして認められるには3つの自立に関する条件があります。

1.作品の表現つまり画題と画法を自身で決められる「自立」
2.生活のための収入が自足していて制作を続けられる「自立」
3.以上の2つの条件を可能にする社会環境がある「自立」

三大巨匠であるダビンチ、レンブラント、北斎は、近代以前にこれらの

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北斎は日本のメインカルチャー

北斎が日本のメインカルチャーであることに異論を唱える人はいない。

「1960年ウィーンで開催された世界平和評議会で北斎は、
ダビンチとレンブラントと並び世界文化三大巨匠に選ばれた。」
と神山氏の著書に書かれている。

北斎の「神奈川沖浪裏」の木版画は、今世界中に知られている。

浮世絵は江戸時代の終わりにヨーロッパのアーティストたちの目にとまり、明治時代にはゴッホやモネたちも手に入れていた。

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