【厳選5本】アート好きのための映画
秋といえば芸術の秋。
ということで、本日はアート好きのための映画5本紹介します。
『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)
美術鑑定士として成功を収めるヴァージル。
潔癖症のヴァージルは女性と接するのが非常に苦手ですが、隠し部屋に大量の女性の肖像画を飾り、鑑賞するという性癖を持っています。
ある日ヴァージルのもとに、電話を通じて依頼が。
依頼内容は、両親が死去したので、両親が収集していた美術品を競売にかけて欲しいというもの。
依頼人の邸宅には確かに様々な美術品が置いてありましたが、依頼人であるクレア自身は姿を表しません。
何度か足を運ぶと、依頼人のクレアは隠し部屋に引きこもっていることが判明。
ヴァージルは扉越しにクレアと接するうちに、クレアの容姿に興味を持ち、ある日クレアの容姿を盗み見ます。
クレアは長年引きこもっていたとは思えないほど、美しく若い女性でした。
クレアにすっかり夢中になるヴァージルは...
なんといっても、主人公を演じるジェフリー・ラッシュの演技力に魅了されます。
以下の記事にレビューも書きました。
『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』 (2011)
フランス人映像作家のティエリーは、覆面芸術家のバンクシーの存在を知り、彼に接近してドキュメンタリー映画を撮ろうとします。
しかしバンクシーは、ティエリーには映像センスがないことを見抜き、逆に自分が監督して彼の映画を撮ることに。
それで生まれたのがこの映画。
ストリートアート勃興期の雰囲気と、全編通して、ハラハラドキドキの展開を楽しめます。
映画のなかで、ティエリーは個展を開くことになるのですが、ティエリーに振り回される人の苦悩や、訪れた人がティエリーを称賛する様に、人の影響力に対して、皮肉めいたものを感じます。
影響力のある人に評価され、需要が高まることでとんでもない値がつけられる現代アートビジネス。
そんな現代アートビジネスとは一体何なのだろうか、と考えさせられます。
『アートのお値段』 (2019)
バスキア、クーンズ、バンクシー、リヒターといった一流のアーティストたちの作品が億単位で売れるのか?
その秘密に迫ったのがこの映画。
誰もが抱くアートへの素朴な疑問を、美術界の有力者たちに直接聞き込みしながら、アートとお金の関係を探るドキュメンタリーです。
登場人物は、オークショナーや、ギャラリスト、評論家、コレクター。
そしてジェフ・クーンズ、ラリー・プーンズ、ジョージ・コンド、マリリン・ミンター、ジデカ・アクーニーリ・クロスビー、ゲルハルト・リヒターといった、超一流アーティストも登場し、彼らのアトリエの様子も見ることができます。
富裕層の家の中で保管されるアート作品と、公共の場で展示して欲しいアーティスト。
作品を売って高額の報酬を得るディーラーと、高額で落札されても取り分が少ないアーティスト。
「変わらずに」安定した金融商品を供給して欲しいアート市場関係者と、「常に変わっていきたい」アーティスト。
これらの矛盾が鮮明に描き出されています。
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017)
主人公のクリスティアンは現代美術館のキュレーター。
洗練されたファッションに身を包み、そのキャリアは順風満帆。
彼は次の展覧会で、「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いた作品を展示すると発表。
その中では「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」という「思いやりの聖域」をテーマにした参加型のアートです。
その作品をつうじて、現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあったのですが...
「ザ・スクエア」が世間に思わぬ反響を生み、とんでもない大騒動へと発展していく、皮肉な運命を描いています。
正義という名の落とし穴について、考えさせられます。
『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』(2018)
家族よりも仕事を優先して生きてきた、年老いた美術商オラヴィ。
そんな彼のもとに、音信不通だった娘から突然の電話が。
それは、問題児の孫息子であるオットーを、職業体験のため数日間あずかってほしいというお願い。
そんな中、オラヴィはオークションハウスで1枚の肖像画に目を奪われます。
価値のある作品だと確信するオラヴィでしたが、絵には署名がなりません。
オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その画風から近代ロシア美術の巨匠、イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴みます。
「幻の名画」を手に入れるべく、資金集めに奔走するオラヴィですが...
作者不明の「運命の絵」に魅せられた、老美術商とその家族を描いたフィンランド発の映画。
とある美術商の平凡な日常を描いていますが、役者の演技がとてもよく、終始心を揺さぶられます。
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