見出し画像

からだの中でいちばん目にするところ

誰かの爪に塗られたマニキュアは、きっと私の日常をも彩ってくれているに違いない

マニキュアの謎

爪にマニキュアを塗るのはなぜなのだろう。 
男して生まれ、異性愛者である私にとっては、マニキュアは女性のもの、そしてまた女性的なものである。 せいぜいこんな私が爪に注目するのは、爪切りで思いのほか鋭角に仕上がった時にやすりでこするときくらいであろう。

ただドラッグストアには、所狭しとマニキュアは並べられているし、ネイルサロンは大型商業施設に当然のように出店しているように思う。

下着と化粧と

他にも女性的な特徴を持つものを考えれば、華やかな下着がある。 これは商店街や商業施設を歩けけば、確実に私の視界にも飛び込んでくる。 またその着用している他人の姿を、私も時には目にするというものだ。 
ただ下着は常に衣服の下にあり目に触れるものではない。 また「勝負下着」なんて言葉からも理解できるように、下着は隠れているからこそ力を発揮できるのではなかろうか。 
この点、マニキュアを塗られた爪は常に誰かの目にさらされている

常に誰かの目にさらされているという状況下でもっとも女性的なものは、きっと化粧であろう。 
いわゆるすっぴんで仕事に参加することがマナー違反であることを聞くと、男の私は女性は大変だなと思ってしまうものである。 他方でその社会的要請があるからこそ化粧は女性的であるのかもしれない。 
他方で、マニキュアを塗っていないことを化粧をしていないことほどに咎める人はいるのだろうか

誰かの目、自分の目

だとすればやはり女性や女性的な嗜好を持つ人なぜマニキュアで自分の手先を彩るのだろう。その答えはきっと、先の「マニキュアを塗られた爪は常に誰かの目にさらされている」にあるのではなかろうか。 
すなわち、誰かの目とはいうものの、それはきっと爪の持ち主である「自分」の目なのではないか。 

下着は基本、誰の目にも触れることはない。 
顔に施される化粧は、反対に他人の目にだけに映るものである。
だからこそ、下着にせよ化粧にせよ「自分」が見るという場面が基本的に想定されていないのである。

手先で日常を彩る

他方で、マニキュアをした爪をみるのは、主に「自分」ではなかろうか。たしかに爪は他人にも可視化されている。それでも日常生活や仕事現場の中で、他人の爪に注目する人は顔に比べれば少ないだろう。
だとすれば、その爪を最も目にするのは、やはり自分であるはずだ。スマホを触るとき、資料を読むとき、お箸を持つとき、テレビのリモコンを探すとき。そんなとき、手は常に視界に侵入してくる。

だからこそ、一日のうちに何百回も目にするであろう手の先にある爪を華やかに保ちたいと思うのではないか。そうすれば、きっと、日常に彩りを添えることができるから。

ただ、私はきっとこれからもマニキュアを自分の爪に塗ることはないと思う。
とはいえ、誰かの爪に塗られたマニキュアはきっと私の日常も彩ってくれているに違いないと思えてきた

ーーー

手を綺麗に保つというのは、個人的には結構難しくて。
まずは手の甲に、マジックでメモ書きする習慣を卒業したいなと思います。

という訳で本日はこれにて。
ご清読ありがとうございました。

※香川の離島で「旅×農×本」な宿やってます↓


この記事が参加している募集

私のベストコスメ

いただいたサポート分、宿のお客様に缶コーヒーおごります!