心はいつも童貞 ~西加奈子さんのメタファーを考える~
初心なんてすぐに忘れてしまうから
オードリーのANNと西加奈子さん
私はリトルトゥース(オードリーのオールナイトニッポン(ANN)のヘビーリスナー)だという話を一度noteでも投稿したことがあります。
毎週楽しみに聞いているオールナイトニッポンですが、中でも印象に残っている回がいくつかあります。
そのうちの一つが、作家の西加奈子さんがゲスト出演した回。
西さんといえば、『サラバ!』で直木賞を受賞した有名な作家さんですね(実はまだ読んでない・・・)。
西さんの話し方は、歌手のaikoさんを彷彿とさせるような軽快な語り口で、非常に心を引き寄せられます。
そんな西さんから急に、
「若林君って、童貞やんな!」
可愛らしい話し方からは想像もできないワードが飛び出したわけです。
メタファーとしての童貞
もちろん字義通りの「童貞」という意味ではなくて、若林さんのピュアさを表現したという西さん。
つまり、「心はいつも童貞」ということ。
西さんいわく、若林さんは何事に対しても、毎度、男性がまるで初めて女性の秘部を触るかのような態度で接しているそうです。
何度も何度も同じことを繰り返していくと、新鮮さというものはなくなり、ひいては日常化してしまう。
しかし、若林さんは常に童貞よろしく、ピュアな姿勢を保ち続けている。
だからこそ、西さんはこの発言を
「メタファー(隠喩)としての童貞」
と説明したのだと。
「初心忘るべからず」よりも
と、ここまでご紹介している分には、
「深夜ラジオの悪ノリじゃねーか」
「何を嬉々として下ネタを展開しとるんや」
と思った方もいるかもしれません。
ただ、私がこの放送を聞いていて思ったのは、
「つまり、初心忘るべからずみたいなこと?」
ということでした。
というよりもむしろ、
「初心忘るべからずよりも、「心はいつも童貞」の方が絶対に忘れへんやん!」
と思ったのです。
初心忘るべからず、何度も何度も色々な方面から散々に言われてきました。それでも忘れてしまうのが初心。
こりゃ、どうしようもねぇなと言う部分もありますが、
「心はいつも童貞」
という言葉をもってすれば、初心を忘れずに済むような気がするのです。
伝えたいことを伝えるために
熱くてドストレートな言葉、分かりやすい・簡単な表現は確かに相手の理解を深めてくれると思います。
ただ、理解しやすいからといって、長く印象に残るとは限りません。
だって、現に、私も
「初心忘るべからず」
と言われながら、初心を忘れることが多々あるわけだから。
だとすれは、「初心忘るべからず」の効果を持続させるために、
「心はいつも童貞」
という表現が存在してもいいのではないかと思うのです。
もはや、私は「初心忘るべからず」よりもベターな表現の様に感じています。
伝えたいことを長く伝えるために、字義通りの分かりやすさだけでなく、メタファーを駆使した「含み」のある表現も大切にしていきたいと思っています。
ーーー
この発言の面白さは、女性である西さんが男性の「童貞心」を語るという点もポイントの様に感じています。
なぜ西さんがその心を表現できるのか。
その理由は多々あるように思いますが、なんと言っても、このような表現を飾らずに発することが出来るのが、西さんの魅力の様に感じています。
「下ネタ」と「品のあるセクシャル」の違いといったところなんですかね?
というわけで、本日はこれにて!
ご清読ありがとうございました!
また明日も宜しくお願い致します!
ちなみにリトルトゥースな記事については、こちらもどうぞ。
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