90歳のおばちゃんは島で死にたい
「朝起きたら山の緑がキレイやろ、ちょっと歩いたら海が青うてええやろ。近所の人もええ人ばっかやったし。だから、ここがええんや」
おばちゃんは今年90歳になったらしい。夕方、畑で作業をしていると、耕運機が動かんのやと声をかけてきた。
結論から言うと、耕運機は直らなかった。ただ、その分、小一時間ほどおばちゃんの話を聞いたことにもなる。
島に来る前は大阪に居たり、博多に居たり。彼女の半生は波乱万丈なものだったらしい。
「島で死にたいんや」
と嬉しそうに言う。死に対して、どこか前向きなおばちゃん。不思議なものだが、こちらもなぜか明るい気分になった。
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