これがホントの高菜チャーハン!?【香川の農家が語る漬物ではない高菜の話】
生鮮野菜としての高菜を見たことはありますか?
高菜漬けと高菜
皆さん、高菜って見たことありますか?
よーく見てください。これ高菜は高菜でも「高菜漬け」ですよね!
つまり、それは高菜チャーハンではなく、高菜漬けチャーハンではないか?ということなのです。
言葉を変えてもう一度。
生鮮野菜としての高菜を見たことはありますか?
野菜としての高菜
というわけで、こちらがウチで育てている高菜(品種:三池高菜)です↓
かなり緑の濃い色をしています。生で食べると、少し辛みがあってからし菜のような印象。
このからし菜と似ているという点は何ら不思議ではなくて、実は高菜もからし菜も大根・カブ・キャベツも属するアブラナ科の野菜。ちなみにウインナーには欠かせないマスタードもこうしたアブラナ科の種から作られています。
そんな高菜ではありますが、香川ではどの家庭菜園でも育てられていると言えるくらいにポピュラーな野菜で、冬~早春の時期は産直でもよく目にします。
そしてこの高菜を使った香川ならではの郷土料理が「まんばのけんちゃん」
イリコ出汁で高菜、木綿豆腐、ニンジンなどを煮る、超絶ほんわか料理です。想像以上に米に合います。
香川と高菜は切っても切れない関係にあります
まんば?高菜の話をしてるんじゃないのかよ!
と思ったそこのアナタ。高菜は香川では別名で呼ばれておりまして。主に東讃・中讃地域では「まんば」、西讃地域では「ひゃっか」という愛称がついています。
まんばは漢字で書くと「万葉」、ひゃっかは「百華」。外側からむしりながら収穫すれば、1シーズンに何度も次々に収穫できる(一つの株から50~60くらいの葉を収穫できます)ことから、このような名前が付いたそうです。
ちなみに香川ではアクの強い野菜として、一度下茹でして食べられることが多いですが、これはあくまで昔の品種の話。現在主に育てられているのは「三池高菜」という品種で、ゆで汁に色素が移るようなアクの強い高菜は「讃岐高菜」という品種だったそう。
そのため、三池高菜ならそのままサラダに入れても、軽くお湯にくぐらせる程度のおひたしにしてもとっても美味しいのです!
高菜の栄養価バツグンの野菜!
そして高菜は栄養価のとっても高い野菜。特にビタミンCは葉物野菜でもトップクラスで、それはフルーツのキウイに匹敵するレベル。
鉄分も豊富で、同じアブラナ科のコマツナや野沢菜の3倍含まれていることから、特に女性や貧血に悩んでいるという方にオススメの野菜です!
そして先に少し触れた紫色はアントシアニンという成分。これはブルーベリーに多く含まれていて、眼精疲労や視力改善で有名ですね。
※ビタミンCは水に溶けやすいので、もしビタミンC狙いなら生食・サラダで食べるのがオススメです!
高菜の美味しい食べ方
というわけで、色々と紹介してきましたが、実際どのようにして食べたらいいの?という話。
たとえば個人的にはお味噌汁やお鍋の具として食べるのもおすすめです。というのも、太い茎の部分のシャキシャキ感は熱を通しても持続するので、白菜のように溶けてなくなるみたいなことはほぼありません。
また他にオススメはサラダ。
写真はルッコラを乗せてしまっているので分かりにくいですが、下に太めの千切りにした高菜が入っています。少し辛みが苦手と言う人がいれば、ポン酢をかけるのがオススメです。ちなみ香川の私は、熟する前の甘夏などの柑橘類を絞って食べています。
そして、タイトルでもありました「これがホントの高菜チャーハン」
高菜漬けはおそらく特有の香りがあり苦手と言う方もいるかもしれませんが、生の高菜なら心配ご無用!熱を通すとホントに癖なく食べられるお野菜です。
そして高菜は油で炒めると本当に美味しい野菜。先ほどのまんばのけんちゃんも最初に油で炒めることがポイントです。
ぜひ生高菜チャーハンはちりめんじゃこやごまなどの和なテイストで楽しんでみてくださいね!
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最後になりますが、偉そうに紹介しておきながら私の本業は唐辛子農家で、現状高菜は家庭菜園で楽しむ程度。
一方で来春以降、商品としての栽培品目を増やすとすれば、この高菜を多くの人に食べてもらえればなと思っています。
私自身、生まれ育ちは大阪で、生の高菜なんて香川に来るまで見たこともありませんでした。しかし、高菜は美味しい!
というわけで、もし私が高菜の生産・販売を開始ししたら、ぜひ一度食べてみてやってくださいね!
★実は香川の離島で農家民宿を経営しています↓宿では高菜も食べられます★
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