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海へポーン!アサリを袋に入れるそのワケは?【瀬戸内・香川の離島小話】

島の漁師のおっちゃんに誘われ、アサリを浜にポーン。

昔は死ぬほどいたアサリ

(丸亀市・讃岐広島)だったら貝類とかも豊富なんじゃないの~?

とよく言われるのですが、島に貝類は少ないのです。サザエなどもいるのはいますが、昔に比べればかなり減ったそう。

特に島のおっちゃん・おばちゃんがよく言及するのはアサリについて。

でも今は、ほんとに見当たりません。どこにいるんだろ?

護岸工事に巨橋の建設

アサリを筆頭に島から貝類が減った原因としては、

の建設が挙げられます。②はいろいろな主義主張があるそうですが、①についてもとても影響が大きいようで。

ここでいう護岸工事とは、砂浜にコンクリートの防波堤を作ったことを指します。コンクリートによって山水の流出ポイントが減り、超ざっくり言うと、「砂浜が栄養失調になった」というのが事態の根源。
「豊かな海は、豊かな山がないと成立しない」という状況そのものです。

他方で、いくら穏やかな瀬戸内海とはいっても、年に数回は大荒れになることもあるわけで。それゆえ、この防波堤がなければ海水に浸る民家もあります。また緊急時の避難場所である市役所のセンターも、海の近くなので、やはりこの防潮堤に守られているといっても良い。

それゆえ、一概にこの防潮堤がワルモノかと問われると、いやはや島での生活には欠かせない存在でもあります。

アサリを袋に入れるそのワケは?

と前置きはこれくらいでようやく本題。

手伝ってくれやとのことでしたが、99%準備済み。

袋の中にアサリを大きく育てて、おすましにでも・・・!と思ったそこのアナタ。残念ながら不正解です(私も同じこと考えてました)

狙いは、袋の中のアサリに産卵させること。この小さな網目の隙間なら、アサリの卵はそのまま海に流れ出ることができるらしい。

じゃあ、袋に入れなくても、そのまま浜にばら撒いたらいいじゃん!という話かと思いきや・・・
袋に入れておかないと、タコに食べられてしまうらしいのです。見事に中身を綺麗に食べるそうで、この袋でアサリを保護しておくというわけですね。
※ちなみに島のタコは、本当に美味しいです。

海へポーン!

というわけで、あとはこの袋を海へ放り込みます!
一袋10kgはありそうな感じ。

私が呼ばれたのは、たぶんこの投げる担当だなと思いながら。
腰をやられるかと思いながら、5・6袋を海に投じました。 

帰りに缶コーヒーをおごってもらいまして。
寒空で飲む缶コーヒーは格別ですね!

ーーー
早くて産卵は来年の夏前
今ポーンとしても、食べられるくらいに大きくなるには2年くらいかかるそうな。
二年後、ふと思い出した頃にアサリたちに浜で出会えたらいいなと思います。

★そんな浜まで徒歩5分です!(一棟貸し、一泊1人5400円~)




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