マッドパーティードブキュア 90
手を繋ぎながら、テツノたちは暗闇の中を歩いた。油断すれば、また曖昧な混沌の中に溶け込んでしまうだろう。まっすぐに出口を見つめる。やけに広がって見える視界の端に色々と奇妙なものが入り込む。
狂ったように回り続けるコーヒーミル、牛の皮が張り付いた大きなアリ、微細な星が炎を上げる。見るべきではないもの。隙間の磁場に歪められてなにか全く別のものが、このように視覚に認識されているだけ。そのようなことが起きるかもしれないと言っていたのは……ズウラだった。
大丈夫だ、とテツノは胸の内