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マッドパーティードブキュア

128
ドブヶ丘で戦う魔法少女たちのお話です。
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記事一覧

マッドパーティードブキュア 128

「ねえねえ」   テーブルの端から女神が身を乗り出してくる。テツノは女神に顔をむける。 「…

海月里ほとり
4か月前
1

マッドパーティードブキュア 127

「驚きました。このようなことがあるのですね」 「あなた達が狙ってやった訳じゃないんですね…

海月里ほとり
4か月前
2

マッドパーティードブキュア 126

 喉を動かして、声を出すと、次第に世界にまとまりが戻ってきた。心配そうに覗き込むメンチと…

海月里ほとり
5か月前
1

マッドパーティードブキュア 125

 目が回る。目が回る。  意識が細かく分解されて、空間に拡散していく。意味のある塊が、無…

海月里ほとり
5か月前
1

マッドパーティードブキュア 124

「どうぞ」  机の上に置かれたのは、予想通りに得体のしれない物体だった。  テツノは首を傾…

海月里ほとり
5か月前
1

マッドパーティードブキュア123

 どうする? と、テツノはメンチの顔を見た。メンチは険しい顔をして頭をふる。 「信用でき…

海月里ほとり
5か月前
3

マッドパーティードブキュア 122

「なんだぁ? 今のは」  よろよろと立ち上がりながら、メンチが尋ねた。影がうずくまりながら三人を見下ろし答えた。 「どうかしましたか?」 「どうかも、もクソもねえだろうが。死ぬかと思ったぞ」  テツノはメンチの腕に縋る。斧を持ち上げようとする力を感じて、さらに体重をかけると、腕は止まった。 「なんだったんですか? 今のは。すごい音が聞こえたのですけれども」 「そうですか? 今、私たちは、あーちょっと情報の共有をしただけなんですけど」 「あ? それがあんなでけえ音になるのかよ」

マッドパーティードブキュア 121

 集落は比較的、無秩序ではないように見えた。  空は黄昏の橙色。家のような建物から明かり…

海月里ほとり
5か月前
1

マッドパーティードブキュア 120

「なに?」  聞き返すテツノの言葉が聞こえなかったのか、メンチはずんずん先を歩き出す。 「…

海月里ほとり
5か月前
2

マッドパーティードブキュア 119

「この先には何があるんだ?」  先を歩くメンチが、影に尋ねるのが聞こえる。 「ずっとこんな…

海月里ほとり
5か月前
1

マッドパーティードブキュア 118

「なんだか、よくわかんなくなってきたな」  メンチは頭が混乱してくるのを感じた。難しい話…

海月里ほとり
5か月前
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マッドパーティードブキュア117

「あの野郎!」  メンチが罵りの声を上げた。影が不思議そうに返す。 「ご存じの方ですか?」…

海月里ほとり
5か月前
1

マッドパーティードブキュア 116

 店の外は窓ガラスを通してみた時よりもずっと奇妙な世界だった。  鳥が地を這い、犬が空で…

海月里ほとり
5か月前
2

マッドパーティードブキュア 115

「おねえさん達、どちらまで?」  果てなく続くテーブルの一つから、メンチたちに呼びかける声があった。店内に満ちるざわめきに埋もれそうな穏やかな声だった。  メンチは声の発せられたテーブルを見る。そこには一人の影が座っていた。影はメンチを見上げながら言う。 「いい天気ですものね。散歩日和だ」  メンチはそこまで言葉を聞いて初めて、この影が先ほど話しかけてきていた影だと気がついた。影の区別をつけるのは酷く難しい。 「ウェイターさんに教えてもらったんですよ。ずっとここにいても退屈で