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マッドパーティードブキュア

73
ドブヶ丘で戦う魔法少女たちのお話です。
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記事一覧

マッドパーティードブキュア 72

 赤い血が宙を舞う。 「ぐあ、ぐがああ!」 「婆さん!」  老婆が悲鳴を上げて床の上でのた…

海月里ほとり
6か月前
1

マッドパーティードブキュア 71

 少し驚いたようにメリアが眉を上げる。 「わかったところで!」  メリアが叫び、的確に老婆…

海月里ほとり
6か月前
1

マッドパーティードブキュア 70

 転がって距離を取る。本の山の隙間に姿を隠しつつ、部屋の外を目指す。 「えい!」  気の抜…

海月里ほとり
6か月前
1

 マッドパーティードブキュア 69

「メンチちゃん!」  老婆の叫び声にメンチは顔を上げる。とっさに振り上げた斧が重みを受け…

海月里ほとり
6か月前
2

マッドパーティードブキュア 68

 梯子が姿を消したのは他の扉と変わらない一つの扉だった。老婆が扉に耳をあて、様子を伺う。…

海月里ほとり
6か月前
1

マッドパーティードブキュア 67

 走る。走る。本棚のスキマを抜け、駆ける梯子を追いかける。  どこまでも続く本棚の果てに…

海月里ほとり
6か月前
4

マッドパーティードブキュア 66

 遠くから何かが迫るのを感じる。メンチは老婆とズウラを廊下に引き戻した。 「なんでやす?」  尻もちをつき文句を言うズウラの後頭部の間近を巨大な質量が通過していった。 「なんで、やす? 今の」  さすがに腰の引けた様子のズウラにメンチは首を振って見せる。 「わからない」  また、遠くから音が聞こえる。何かが通り過ぎて言った方向から、戻ってくる。  今度は予測していた。だから、メンチは通り過ぎていくものを視認することができた。  それは機械だった。梯子といくつかの腕とバスケット

マッドパーティードブキュア 65

 扉を開けた先にあったのは異様な光景だった。  果てしなく、本棚が続いている。同じ大きさ…

海月里ほとり
6か月前
1

マッドパーティードブキュア 64

 図書館の中は秩序と均衡に満たされていた。扉を一枚隔てただけなのに、乱雑な中庭とは別世界…

海月里ほとり
6か月前
2

マッドパーティードブキュア63

 ページの隙間から覗く、ノンブルの目がメンチたちを捉える。 「ぐおおん!」  考えるより早…

海月里ほとり
6か月前
4

マッドパーティードブキュア 62

 驚き、老婆を見直せば、見下ろす位置にはもういない。曲がっていた腰はしゃんと伸び、いつの…

海月里ほとり
6か月前
2

マッドパーティードブキュア 61

「そうなのよ、あれ、朝来てみたらいきなりあんな形になっててね。びっくりしちゃったんから」…

海月里ほとり
6か月前
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マッドパーティードブキュア 60

「それじゃあ、あの図書館にはすごくたくさんのサイコロがあるわけだ」 「違います」 「違うの…

海月里ほとり
6か月前
1

マッドパーティードブキュア 59

「この街の混沌は存在するものすべての要素を内包しています」  足がかしいで斜めになった天板に肘をついて、セエジは言った。マラキイとズウラ、メンチとテツノの四人もテーブルを囲み、セエジの顔を見つめている。女神もテーブルに着いてはいるが、テツノの隣でうとうとと舟をこいでいる。  五人の顔を見渡して、セエジは言葉を続ける。 「なぜなら混沌とはランダム性の極端でありあらゆるものの組み合わせを作りうるからです」 「つまり、どういうことだ?」  マラキイは額に皺を寄せて尋ねる。マラキイは