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エッセイ「人生、さんぽ道」

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人生、山あり谷あり回り道ばかり だけど振り返れば、案外楽しかったさんぽ道。 私が感じたこと考えたことを言葉に紡ぎたい。そんなマイペースなエッセイです。
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#ピアノ

駅の片隅で「弾き逃げ」してきた話

駅の片隅で「弾き逃げ」してきた話

昨日の続き。

今日こそは弾くのだ、と決めて今日もiPadを忍ばせてきた。

というか、結局昨日も眠気に負けて家でも弾けず、ここ数日家でも弾いてすらいない。

だけど、やると決めたらやるだけなのだ。

そうして意気込んで

今日はちゃんと、ピアノの前に座れた。

もう後ろは振り向かない。

どうせここは、改札が見えるとはいえ駅の片隅。どうせ誰も見ても聴いてもいないのだ。

ただ、自分との約束を守る

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ピアノの前に、座れなかった。

ピアノの前に、座れなかった。

仕事帰りに利用する駅に、今、ストリートピアノが置いてある。

保育園のお迎えのために時短で退勤した帰り道、横目にちらちら見ながら、過ぎ去ることもうすぐひと月。今週で設置期間が終わってしまう。

地方とはいえ、新幹線の始発終着になる、県名を冠したターミナル駅。

そして、私は社会人で再び暇つぶしに弾き始めた、ど素人の元エレクトーン弾き。ヘタウマならぬウマヘタである。

昨日の帰り道、思ったより人がい

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あの頃の私の「サードプレイス」

あの頃の私の「サードプレイス」

私が、その先生と出会ったのは、5歳の頃のことだった。

保育士だった母の影響で、自宅に電子オルガン、祖母の家にピアノがあった。
音楽が身近にある幼少期だった。

自分から行きたいと言ったのか、
母から勧められたのかはわからないが、
5歳から、ヤマハ音楽教室に通い始めた。

学校とは違う世界。
歌ったり弾いたりする時間。
お友達もできた。
私は、教室に通う時間が大好きだった。

先生は、色んな意味で

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音楽が繋いでくれる人生

音楽が繋いでくれる人生

「ピアニストになりたいです」

それが、生まれて初めて人に話した、将来の夢だった。
そして、そこから続く、
長くて細い、ピアノと私の始まりだった。

あれは4歳の時だった。
通っていた幼稚園では、誕生月になったら、
将来の夢を書くのが通例だった。

母が保育士だったので、
家には電子オルガン、
祖母の家にはピアノがあった。

遊び半分でしか触っていなかったのに、
なぜかその時は「ピアニストになりた

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