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駅の片隅で「弾き逃げ」してきた話

昨日の続き。


今日こそは弾くのだ、と決めて今日もiPadを忍ばせてきた。

というか、結局昨日も眠気に負けて家でも弾けず、ここ数日家でも弾いてすらいない。

だけど、やると決めたらやるだけなのだ。

そうして意気込んで

今日はちゃんと、ピアノの前に座れた。

もう後ろは振り向かない。

どうせここは、改札が見えるとはいえ駅の片隅。どうせ誰も見ても聴いてもいないのだ。

ただ、自分との約束を守るためだけに、私はここに座っている。


弾いている間、ずっと指が震えていた。

止まらなかった。

足も震えてた。

今まで電子ピアノにヘッドフォンで弾いていたので、思いの外大きいアップライトピアノの音に面くらった。

間違えまくったし不協和音だし、音も弱々しくて。

自分の技術もさることながら、好きなこの曲の良さを全然響かせられていないことが、なんだか申し訳なかった。

だけど、弾きながら、ちゃんとここに座りにこれた自分の味方だけはしようと、確かに思った。


弾き終わって、録画してた演奏を聴いて、案の定、がっかりだった。

でも、大人の夏の小さな冒険には、ちょうどいいや。

なんなら、明日も弾きにこようかな、弾きにきたいな、とすら、うっすら思った。

私は、上手に弾きたいんじゃなくて、弾いてて楽しいこの曲の良さを、最大限に響かせてあげたいから上手くなりたいんだな、ってことに気づけた。

さぁ、また練習しないとなー!

そんな、聴かせるのも恥ずかしいへたっぴピアノ弾きの、夏の挑戦でした。

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