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一人暮らし備忘録

 数年前、一人暮らしをしていたことがある。今はうつ病のため、母との同居であるが、いずれまた一人暮らしをしたいので、まだ記憶が新しいうちに、その時の生活スタイルや、お気に入りの便利グッズを記録しておくことにした。
 この経験はあくまでも私個人のケースでしかないが、これから一人暮らしを始める誰かの参考にもなったらいいなと思う。


物件探し編

どんな物件がよいか条件を絞る

 まず、物件を探すのに、賃貸探しのアプリを複数入れることから始めた。さらに、家賃の目安は、手取り収入の1/4から1/3程度と言われているので、安めの1/4の方を基準として設定する。お金を貯めるには、家賃を始めとした固定費をできるだけ削ることが、セオリーである。初めての一人暮らしで、何があるか分からなかったため、できるだけ節約しておきたかったのだ。
 それから、間取りや築年数、会社と駅からの距離、周辺の買い物事情、オートロックの有無、階数などを比較して、自分の中で譲れないと感じる条件を絞った。

  • 間取りは1K。キッチンスペースと寝るスペースが隣り合わないから。

  • 洗濯機置き場は室内。室外に洗濯機を置く家に住んでいた時、冬場の寒さがつらいし、雨ざらしの洗濯機が壊れやすかったから。

 このような条件を考えつつ、気になった物件をいくつかピックアップし、一番気になる物件の管理会社に、内見の約束をとった。実際に見に行ってみると、新たに気になる部分、逆に妥協できる部分が分かってくる。
 上の条件に加えて、もう一つ妥協できない条件ができた。

  • 水回りの綺麗さ。古い物件を見に行ったら耐えられそうになかった。


 妥協できる部分の方は、次のような感じになった。

  • ユニットバス。お風呂の掃除が面倒くさいので、この方がいいまである。

  • 一口しかないIHコンロ。キッチンの狭さ。凝った料理をする余裕はないのでいいと思った。

  • 周辺地域の騒がしさ。元々防音性能の低い家に住んでいたので、平気だと感じた。

  • 孤独死等の瑕疵物件。孤独死は、結婚願望のない自分の行く末かもしれないし、事件性がなければ気にならない。

 かくして、これらの条件に当てはまった部屋を借りることにした。

実際に住んでみてどうだったか

【良かったところ】

  • 業務スーパーが近い。

  • 出勤時間が5分。

  • 役所が近い。行政手続きが気軽にできる。図書館も併設。

  • 4階以上なので虫がこない。

  • 1Kの間取り。玄関から中がよく見えないし、エアコンが効きやすいし、ユニットバスと洗濯機が近いので使いやすい。

  • エレベーター2台の存在。混むこともなく快適。検討していた物件に5階でエレベーターなしという物があったが、仕事で疲れて帰ってきたら無理だと悟った。

  • 瑕疵物件で他の部屋より3,000円くらい安かった。毎月3,000円は、まあまあ無視できない。一年で36,000円だ。

【悪かったところ】

  • 隣の住人がベランダを散らかしまくりで、鳥よけネットを直さない。おかげで鳩の糞害にあったし、エアコンの室外機に鳩の羽根が引っかかっていた。苦情を入れてもダメだったので、ベランダの存在が疎ましくなった。

  • 改装したばかりの物件だったので、見た目は綺麗だったが、給湯器が古く、お風呂のお湯を自動で沸かせない。シャワーばかりで健康に悪かった気がする。

  • 周辺地域の治安が悪い。管理人さんが片付けてくれていたが、ごみ捨て場とか汚い。換気扇から煙草の臭いが入ってくることがあった。

反省点

  • 内見に来たときは隣のベランダもチェックする。

  • 住人に喫煙者が多くないかも気にした方がいい。

  • 休日を土日とも潰すのが嫌だからといって、一日で物件を即決しない。たまたま親切な不動産会社にあたったが、できれば複数の管理会社を比べた方が良かったんだと思う。

  • 働いていると、なるべく買い物の頻度を減らしたいので、大きめの冷蔵庫を買えば良かった。物件でなく家電の話だけど。


生活スタイル編

洗濯は毎日

 朝起きたらまず洗濯。やってみたら、洗濯は毎日するのが私は楽だった。ベランダには鳩がいるので室内干しオンリー。エアコンのところに引っ掛けるハンガーが、洗濯物を乾かしやすく非常に便利であった。ほぼそこから直で服を回収して、畳まず着替えていた。仕事着は固定だったので、それで良い。

 洗剤はプッシュ式のもので定着した。洗剤を測らなくて済むというだけでストレスフリーかつ早い。洗剤の入り口を使うとヌルヌルして気になるので、洗濯槽に直接プッシュするスタイルでOK。

 湿度の高い日とそうでない日で、洗剤を使い分けていた。室内干し用の洗剤は本当に臭わない。酸素系漂白剤とかで、一生懸命に消毒していた日々は何だったのだろうか。


自炊と買い物の仕方

 凝った料理はしなかったが、毎日自炊をした。スープ物を中心に、たまにオムレツを焼いたり、りんごを丸かじりしたり、炊いたご飯を冷凍して、梅干し、納豆、豆腐、キムチ、もずく、チーズ、ヨーグルトなどの何もしなくても食べられるものを常備した。時々飲みたくなるお味噌汁は、鍋を使わず、味噌と顆粒だしをお椀で溶かし、乾燥わかめや冷凍したネギ等を加えて作っていた。
 朝食に食べるスープを、多めに作って、スープジャーに入れ、お弁当にもした。スープジャーは重くて大きめなので、仕事鞄が小さい人には厳しいかもしれないが、私の通勤鞄は、ホームセンターで買った大きく丈夫なリュックサックだったので、ちょうど良かった。加えて、車移動が多かったので、重さのデメリットがあまりなく、スープジャーは熱々なので、夏場の車内に放置しても腐らない。汗をとてもかくことを除けば便利である。
 スープジャーにスープを注ぐ際、こぼしがちなので、専用のお玉も買うのがおすすめだ。

 スープを作るとき、材料を切ることが、とにかく時間を取られて手間だったので、野菜と肉と魚介類は、切られて冷凍されているものを、業務スーパーで買うスタイルになった。値段も高くなく、時短できて、肉を切るのに使った道具を消毒する手間がなくなるので、大変助かった。

 スープだけだと夕方近くにお腹がすくので、おにぎりも持っていくことにした。業スーを利用したお手軽自炊でも、けっこう節約できていたので、健康のためと腹持ちのために、少し贅沢だが玄米を買った。無洗米の玄米が近所の薬局で売っており、そこでは卵や納豆、もずくが地域最安値だったので、洗剤等のストックとまとめて買うことができる。

 ちなみに、おにぎりが腐る可能性があるときは、ひとくち羊羹をストックして持ち歩いた。夏場にあまり食べる気はしないが、カロリーは安全かつ確実にとれる。

 買い物の頻度は一、二週間に一回。翌日出勤のない週末の勤務帰りと決めていた。ホームセンターで買った大きく丈夫なリュックサックが、ここでも活躍した。生鮮食品は、ほとんど買わないので、賞味期限を気にする必要はない。
 なお、持っているクレジットカードがリクルートカードだったので、スマホのQUICPayに登録して、ほとんど全ての買い物でポイントを貯めた。貯めたポイントは、ホットペッパービューティーを通して、美容室で利用することができた。

最低限の調理器具

 キッチンが狭かったので、調理器具は最低限しか揃えてない。刃物は、三徳包丁よりも、取り回しのしやすいペティナイフにし、まな板は100均の小さめで正方形に近い形の物を買って、それが正解だった。

 鍋とフライパンは兼用で、炒め物もスープも同じ鍋で作った。炊飯器も買わず、同じ鍋でご飯も炊く。一人暮らし物件によくあるIHコンロは、ガスコンロと比べて火が通りにくいと聞いていたが、タイマーを設定できるおかげで、他の用事を済ませながら炊飯できるので、むしろ便利に感じる。


狭いスペースを使いやすくするアイテム

 キッチン周りの収納は、「くりぴたフック」という壁用フックがとても役に立った。フライ返しやお玉、吊り下げられる物は、すべてこのフックで吊り下げておいた。仕事に持っていっていたウォーターボトルも、このフックと、100均で買ってきた何かのフックと組み合わせて、逆さに引っ掛けられるようにし、流しに向かって水滴が落ちる仕組みにした。

 このフックの専用接着剤を利用し、省スペースだが、少し不安定だったシューズラックの固定もした。実際に退去するまで、壁に跡が残らないということに、懐疑的であったが、しっかりと貼れているにもかかわらず、本当に綺麗に剥がせたので、感動した。賃貸に住みにとって、ありがたい商品だ。


掃除とうつ

 掃除機は使わず、クイックルワイパーを使っていた。床は何となく気が付いたときだけで、トイレは朝に掃除、キッチン周りとユニットバスは、使用の都度、綺麗にするよう努めた。
 キッチン周りは汚れが固まらないうちに、セスキ炭酸ソーダスプレーで拭き取り、流しは夜に食器を洗った後、洗う習慣にしていた。
 ユニットバスは洗剤で掃除した後、カビが生えないように、体を拭いたタオルで、お風呂の水分も拭き取る。カビやすいシャワーカーテンを拭くのも、面倒くさいがやっていた。干すスペースがなく、乾きが悪いので、バスタオルではなく、フェイスタオルを使う。
 お風呂を拭き取る作業だけは、結局最後まで面倒くさいままだった。うつの症状が酷くなると、お風呂に入れないのは、この作業のせいもあると思う。なので、今度一人暮らしをする際は、何らかの楽な手段を手に入れたい。
 また、床の掃除に関しても、うつが酷くなったとき、ぶちまけたインスタントコーヒーを数日放置してしまったので、今度はルンバを使えるくらい段差のない部屋に住みたい。いや、この場合は、ルンバがコーヒー臭くなるからだめか。


最後に

 一人暮らしをしてみた実感として、普段の動線を意識した物の配置をすることと、毎日の家事をできる限り、負担なくこなせるよう最適化していくことが、暮らしのコツだったのだと思う。うつ病で仕事が続かなくて、なし崩し的に終わってしまった一人暮らしだったけれど、生活上の工夫をあれこれすることが、楽しかったので、いずれはまた一人暮らしをしたい。
 そのために、現在はうつの治療を焦らず続けて、引っ越すとき身軽でいられるように、少しづつ持ち物を片付けている最中である。あまり先のことは、怖くて考えられないが、頭の片隅ぐらいには、ここに書いたことを気に留めておきたいと思う。



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