マガジンのカバー画像

僕らの金メダル

16
息子の小6最後の1年を、少年野球を通して、その仲間との絆や 泣き笑いを…子供目線で綴った作品です。…練習、試合にと…共に過ごした日々を…親子の思い出としての記録です。
運営しているクリエイター

#小説

僕らの金メダル 1話

僕らの金メダル 1話

僕らは大人になって、それぞれの道を歩き始める。それぞれの道で、その場所で、躓いたり立ち止まったりするだろう。
そんな時、振り返ってみればいい。そして、思い出す。僕らのいたあの場所と、僕ら9人の仲間のことを…。弱小チームの、少しずつだけど成長できた…あの日々のことを…。
僕らは弱かった。とは言っても、全く勝てないわけじゃない。ほんとに野球の好きな奴らの集まりだった。しかし、はたから見れば、のほほんと

もっとみる
僕らの金メダル 3話

僕らの金メダル 3話

3月某日
今日は、僕らのチーム主催の大会の日だ。3月に入ったというのに風が冷たく、時折、小雪がちらついていた。
朝…まだ暗いうちから起き出して、眠い目をこすりながらユニフォームに着替える。母が作ってくれた、おにぎりを少し無理をして、お腹に入れる。外に出ると朝の冷たい空気で目が覚める。これが、試合の日の朝の光景だ。
先日の大会で、予想外に良い成績を残した僕たちは、今日のこの大会で無様な試合をするわけ

もっとみる
僕らの金メダル 4話

僕らの金メダル 4話

僕らの次なる目標は、全国大会出場することだ。その為には、まずは第1段階の地区予選1位通過して、県予選に駒を進めることだった。
地区予選は、見事1位通過して先輩チーム同様に県予選に出場出来ることになった。僕らは1ヶ月後に迫った県大会予選に胸を躍らせていた。
5月某日
調子に乗っていき、、僕らは、この日も予選を難無く2勝して決勝リーグに上がった。さすがに、ベスト8にまでになると他のチームも楽に勝たせて

もっとみる