病院広報バロンデセ

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  • 病院コミュニケーション

    病院の広報やプロモーション、患者・その家族・地域住民あるいは病院職員・求職者とどのようにコミュニケーションを図ったらよいか、のヒントになるものを集めています。

最近の記事

書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「ステークホルダーマネジメントとしての病院」2018年2月刊

これまでにも病院広報を論じる書籍はありました。多くは執筆者の活動や事例をまとめたハウツーを披露する、あるいは広報に取り組む上での信念や心構えを記したエッセー風でした。これはこれで現場の実践的なヒントや手がかりとして有用ですし、ユニークな知見を得られる点で有用です。 一方で、事実ベースであったり属人的であったり「その病院だから、その人だからそれが成立したのだろう、成功したのだろう」という、再現性や一般化という点で頼りない側面がありました。あるいは広報と題しつつも、実態はAID

    • 書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「戦略的病院広報」2022年11月刊

      「ステークホルダーマネジメントとしての病院広報」(2018年2月号)以来の広報特集号です。 本特集のサブタイトルには「病院の魅力を高めリスクを減らす」とあり、攻めと守りの両面にまつわる論考で構成されています。具体的な取り組みとその成果に留まる論考もあり「戦略的広報」とはどういったものか、読者には大枠の概念が伝わりにくい懸念はありつつも、病院ができる多彩な施策の「最新ショーケース」として価値があるのではないでしょうか。 病院マーケティングの本質と戦略的病院広報の勘所小倉記念病

      • 書評「地域に伝えたい!やさしい病院広報の教科書 なるほど医療介護経営」

        コロナ禍で病院広報として何をしたらいいのか? 病院広報により病院をブランディングし、地域とのつながりを持つことを、対談形式でまとめた一冊。広報の取り組みとしての新しさ、考え方の革新性があるわけではありませんが、社会のかたちが変わり、これまでとは違った集患が求められる今、改めて病院広報が何をすべきか、何ができるかを問い直すきっかけとしては、よいコンセプトの書籍だと思います。 本書は2部構成で、東日本税理士法人 長英一郎さんが、前半はNPO法人メディカルコンソーシアムネットワー

        • 患者向け医療機関検索プラットフォームは医療サービスか

          先日、病院検索サービスのビジネスパターンをまとめた記事を拝見しました。 普段から思うところがあり、以下の引用ツイートをしましたところ@aritaku03さんから「異質とは?」「高い倫理観とは?」とご質問をいただきました。かなり感覚的に発言してしまったとはいえ、当事者の方からの投げかけには真摯に答えるべきだと考えておりましたら、長文化してしまいましたので、こちらに記します。 医療は選択と誘導が自由な市場であるここでは医療機関選択に限りますが、なぜそもそも、患者(被保険者)の

        書評・読書メモ:医学書院『病院』 特集「ステークホルダーマネジメントとしての病院」2018年2月刊

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          48本

        記事

          病院ホームページのアイデア集

          病院ホームページのアイデア集

          医療機関の感染対策アピール事例集

          新型コロナウイルスの感染拡大で不安を感じる患者が受診控え、医療機関の経営に打撃を与えているという報道を連日のように見かけます。 患者側が失業や減給で医療費を捻出できず受診を諦めるというケースもあるようですし、やはり感染の不安と体調を天秤にかけ、積極的な受診を選ばない方は多いようです。厚労省も「過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります」として広報を強化しています。 第3波の予兆もある中、いかに医療機関へ足を運んでもらい、適切な医療を受けようという気持ちに

          医療機関の感染対策アピール事例集

          済生会横浜市南部病院のホームページを分析する

          よいホームページとはどんなものでしょうか。病院からホームページ制作の依頼をいただくとき、多くの方は「きれい」「読みやすい」「わかりやすい」といった想いをまず口にされます。確かに印象がよく、情報が整理されていることは大事な要素ではありますが、それとは一線を画し、社会状況や人口動態からホームページはどうあるべきかを病院職員の立場から語る下記の記事に衝撃を覚えました。 この記事で急性期病院が患者獲得に必要なものとされているのは、今日現在「地域医療連携の強化」であり、メインターゲッ

          済生会横浜市南部病院のホームページを分析する

          「生き残りをかけた病院ホームページ」を取り巻く環境

          「病院マーケティングサミットJAPAN」の中核メンバーのお三方が、 次のような視点で病院のウェブサイトの現況やあり方について示唆しています。SEO、ブランディング、モバイルフレンドリーなど話題が多岐におよんでいますが、ここでは竹田氏の記事をベースに共感できるところ、補足したいところ、あるいは別の考え方もできるのでは、というあたりでフォロー記事を書いてみました。 病院経営事例集「生き残りをかけた病院ホームページ 〜選ばれるためのホームページとは〜―病院マーケティング新時代(5

          「生き残りをかけた病院ホームページ」を取り巻く環境

          プロフィール

          制作ディレクター、広告広報プランナー、医療経営士 1976年生まれ。 医療に特化した広告代理店業の制作事業に携わる中で、医療機関には“自前で”広報誌発行やホームページ管理したいとニーズが高いことを知り、制作物の受託以外でのかたちで広報活動をサポートできないかと考えはじめました。twitterアカウントでは「医療機関コンサルタントが言及しない広報の考え方」「院内の広報担当が悩みやすい情報発信のノウハウ」を中心に情報提供をしています。 1990年代のネット黎明期からホームページ

          病院で広報担当になるためのキャリアパス

          先日、TwitterのDMでこんな質問をいただきました。 以前から医療に携わる仕事をしたいと思っており、総合病院で広報を担当したいと思うようになりました。しかし、求人サイトなどで総合病院、大学病院などの広報担当の募集は少ないようでした。病院の広報職になるのは難しいのでしょうか?また、病院や医療関係会社で広報マーケティングを担当されている方は、どのような経歴で仕事をされているのでしょうか? DMでちゃちゃっと返信しようかと書いているうち、思いのほか長文になってしまい、DMに

          病院で広報担当になるためのキャリアパス