だいたい、この人が犯人だろう。
テレビドラマ「ラストマンー全盲の捜査官ー」を毎週観ている。
福山雅治さんが主演、大泉洋さんがバディ役として脇を固める。永瀬廉さん、今田美桜さん、吉田羊さん、上川隆也さんなど、TBS日曜劇場らしく旬な若手としっかりしたベテラン俳優をバランス良く集めている印象だ。
今回のドラマは、福山雅治さんが非の打ち所がない全盲の捜査官、皆実広⾒を演じている。名探偵コナンよろしく、犯行現場に足を運んだ瞬間、「何か」を察する。詰将棋だって、もっと時間がかかるような気がするけれど、皆実はいつだって完璧に事件のトリックを見破るのだ。
いわゆるワンパターンもので、多少の変化はあるものの、周りが見当違いの捜査を展開している間に、皆実は些細な違和感をもとに事件解決へと突き進む。勧善懲悪ものと並び、こういったストーリーは日本人に人気があるように感じる。(僕も、なんだかんだ、けっこう好きだ)
ゲストもそこそこ名うての俳優が出演している。そういう場合に困るのが、「知名度的に、たぶんこの人が犯人だろうな」というのが分かってしまうことだ。推理ものとしては、かなり致命的である。
1話……宮沢氷魚
2話……浜田信也、アキラ100%
3話……福田麻貴(3時のヒロイン)
4話……伊藤歩
5話……高梨臨
これらが犯人のリストだが、キャリア的にも「妥当」というか、そりゃそうだろう感が画面からも伝わってくる。(宮沢さんに限っては、登場シーンから犯人であることが示されていたけれど)
まあ、でもそういったことも含めて、演出はある程度、視聴者に犯人の目処を立てさせているのかもしれない。「たぶん、この人が犯人だろう」と思わせておいて、皆実がするするとロジックを駆使して「やっぱり犯人だ」へと導いていく。
そういう意味で、日曜劇場は純粋なサスペンスではないのかもしれない。それを許容して、視聴者はドラマを楽しんでいるのだけど、まあ……そろそろ観なくても良いかもしれないなと。だいたい話の筋は分かったし。
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いち視聴者(あるいはシネフィル)として、良い作品が生まれていく課程の担い手でありたい。
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