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時短1on1で気持ちと行動を切り替える

こんにちは。アンドア株式会社の堀井です。
コーチ、研修講師として1on1を生業としています。

アスリートのパフォーマンス向上や次世代マネジャー教育を中心に、コーチングスキルを使って気持ちと行動を切り替えることが醍醐味です。

そんな私もマネジャーになりたての時や、コーチングを本格的に学び始めた時は、1on1について悩んできました。
一言で言うと、

「ちゃんとしなきゃ」
という意識ゆえの、無駄が多い

だったと思います。

経験を重ねると無駄な力が抜けるというか、メリハリがわかるようになります。

今回は、私のコーチング実践スキルを、企業マネジャーのお悩み解決に当てはめてみたいと思い、企画しました。

題して、時短1on1です。

忙しい現場における1on1の問題点とは

話を進める前に一つ断っておきたいことがあります。
それは、

時間が短い=良い
時間が長い=悪い

という、時間の長短を論点にしていないと言うものです。
「だったらタイトルに書くなよ」と思った方、正論です。
商売上、アイキャッチのための文言でした。ご了承ください(笑)

一方で、本音で申し上げたいことは、

「良き1on1とは、
部下一人一人につき、
60分確保せねばならぬ」

と言う固定観念こそ問い直したいのです。
忙しいプレイングマネジャーさんに、そんな時間はないですよね。

さらに、メンバーだって上司との1on1は緊張しますし、単位時間における期待値は高いはずです。

短時間で納得感の高い1on1

これが手に入れれば、マネジメントもプレイングも成果向上に直結するわけです。そのための企画を見ていきましょう。

その前に、まずは1on1の問題点を3つ考察します。

詰めモード

詰めモードはとても一般的によく聞きます。
ある会社では、上司との1on1を対策にした作戦会議があるという話も聞きました。

業績向上を実現したい上司の気持ちもわかります。
業績以前に大事な話があると言う部下の気持ちもわかります。

この両者のボタンのかけ違いを是正するためにも、今一度1on1について学び直したいものです。

迷走モード

私の経験上、リモート1on1になって急激に増えた問題ではないかと思います。
雑談や親睦を深める目的ならまだしも、1on1によって何も決まらないという事象によって、ストレスを抱えるのは部下です。

さらに、

「そもそも1on1は
上司と部下の親睦を深めるためであって、
結論はいらない」

と、開き直りに聞こえるケースまであります。忙しい時間をマネジメントしている部下にとっては、納得がいかないですよね。

儀式モード

DXなどで作業が一元化、クラウド化したことはとても良いことです。しかし、情報の活用がデザインされていないフォームの乱立や、1on1そのものの形骸化によって、どんなに素晴らしい制度も「お飾り」になってしまうリスクがあります。
さらに、形骸化した1on1に悩む企業にお邪魔をすると、

所詮1on1なんて・・・

コーチングなんて普段からやってる・・・

という、マリアナ海溝クラスのknowing/doingギャップに直面することがあります。

部下が1on1で本当に望んでいることは

上記の3つの問題を解決するのは、当然謙虚に学び直すということです。
ただ、そのためにマインドセットしておいて欲しいことがあります。

1on1によって、部下が心の底から望んでいることは何でしょうか?


上司のありがたいアドバイスを聞きたいわけでも、
上司に話を聞いて欲しいわけでもないでしょう

完全な余談ですが、私が見るに、コーチングも、研修講師も、
受講者が心から望んでいることは何か?という問いに答えられる人が、
有償コーチ/有償講師として活躍しているように思えます。

独り言

1on1において部下が願っていることは


部下自身が今どうなっているのか、健全に気づきたい

こうした自己理解への欲求です。
その支援を行うのがマネジャーであり、支援を行う手段が1on1です。

だから、部下の、部下による、部下のための時間を支援するというマインドセットができれば、学び直しは必然となるでしょう。

評価者というジレンマを乗り越える

ただし、実際問題上司による1on1には大きな壁があります。
ある意味、有償コーチの方が気が楽です。
それは、

どんなに理屈を並べても、逆立ちしても、
評価者との1on1では話せないことがある

という問題。

これは評価者研修でテコ入れするトピックスなのですが、私が評価者にお伝えしていることは、

部下は”見てくれる上司”を信頼するのであって、
評価会議でのジャッジが公正かどうかは
知ったこっちゃない

だから、上司は見ているよ感が大事なのです。

つまり、日頃の1on1では、上司は部下を”見ている”ことを伝え、
より部下の言葉なき努力を”見る”ための支援を行うと、心に決めます。

そうすると、自ずと評価的な質問ではなく、部下を知るための質問が投げられますよ。

時短1on1の4ステップ

さて、ここからは時短1on1の4ステップについて見ていきましょう。

1.ルート決め/微修正

まず1on1の種類を決めます。前述したとおり、あらゆる1on1が60分である必要はありません。

■ルート決め1on1
→現状とありたい姿を明確にし、取り組む意味を言語化する
■微修正1on1
→ルート決め1on1のアウトプットを手掛かりに、行動を微修正する

この2つだけでも整備しておけばOKです。
日常的によく使うのは微修正1on1です。立ち話でも、ランチがてらでも行うことができます。ぜひ職場の公用語にしてみてください。


2.共通言語整備

研修講師の反省ですが、難しい横文字を与えすぎて、職場が混乱するという事象はよくあります。

横文字が悪いわけではなく、職場の公用語になっているかどうかが重要です。したがって、1on1を学び直す際は、職場の公用語についても整理しましょう。以下は問題発見解決で使用する、公用語のフレームです。

3.砂時計対話

ここでやっと研修トレーニング内容の話題です。
ただお気づきの通り、1on1スキルをインプットしただけで、1on1の種類や共通言語がぐちゃぐちゃだと、時短に寄与しないことはお察しの通りです。

研修は未知の情報を得ることだけが目的ではありません。
既知の情報を整理し、よりよく再現することのほうが、
現場で求められているはずです。

「きっかけ砂時計」も、中身は既知の情報である人が多いと思います。

ただ、既知の情報をとらえて、職場の共通言語を整備しなおしたり、後述する目標管理の連動性を作ったりすることが、時短1on1と部下の動機づけを実現します。

4.目標設定

時短1on1の最後は目標管理についてです。
ここはセミナーで詳しく、体感も交えて整理・理解するところなので、デモセミナーや文面だけでは少し伝わりづらい部分かもしれません。

ただ、結論から言うと、

仕事がうまくいっている、うまくいっていないの違いは、
何を見て判断しますか?

自動車のドライバーが交差点で信号機を見て判断するように、
仕事でも「これだけを見る」と言う信号機が必要です。
それをKPIと言います。(他にも諸コンサルタントによる諸説あり)

当然、一つの指標で物事が進捗するほど単純なことはありませんが、
一方で「一つの指標」も決められずに、「いろいろ大変」だと辟易する現場が多くあります。

理念からKPIまでの連続を考え、1on1で使えるようになると、時短1on1に寄与します。

アクションに向けて

組織の中で1on1が形骸化する代償は大きい

組織文化を是正するのは困難です。先輩のコンサルタントによると、少なく見積もっても3年は覚悟するようにとのことです。

つまり、一度1on1が形骸化してしまうと、取り戻すために3年のプロジェクトが必要になると考えても良いでしょう。

したがって、スキルトレーニングの前に、組織のインナーブランディングを戦略立案し、意味のある運用を考えたいところです。

スキルトレーニングの前に

1on1やマネジメントに関するアンケートや所感など、思い込みがあっても結構です。まずお気軽にご相談ください。

その上で、前述のように組織におけるインナーブランディングを考え、スキルトレーニングの企画をお手伝いします。

1on1によって部下もマネジャーも納得感が向上し、潜在的なパフォーマンスが発揮できることを心から応援しております。


ここまでお読みいただきありがとうございます。
15分セミナーでも紹介しておりますので、どうぞご覧ください。


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