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hidemaro2005
ショート: オカンが脅してきた
最後の日。物理と古文の２教科、終了！
人生最後の試験はこれで終わる。
大学は推薦で合格し、
これから共通テストを受験するヤツ、ざまあ。
この先は、精々あって大学の卒論⁈
コピペすれば楽勝だとSNSで読んだ。
それなのに、留年したり人生詰むヤツは
何をどうしたら、そうなるんだろうな。
「オカン、期末テスト終わった！
試験とは無縁の人生に突入だぜ」
ソファにリュックを投げ、スマホを開く横で
オカンが不思議そうに訊いてきた。
「アンタ、自動車免許は取らないの？」
「はあ？ 取るに決まってる」
「免許を取得するのもテストがあるのよ」
「またまた〜。自動車学校に行けば免許は取れる」
「アンタ、もしかすると大学は定期試験があるの
知らないとか？」
「はあ？ 平成と令和は違うんじゃないか」
「就職もペーパー試験があるのよ」
「まじか⁈ バイトの時は面接だけだった」
「企業に入社しても必要な資格試験を取ったり」
「それ、いるの？」
「無くても不自由はないけど…」
「だろ？」
「生きるって、毎日、毎秒が試されているもの。
高校生の今日まで、考えたりしなかった？
いちいち母さんが教えないと、アンタって」
「ウザっ！ SNSにそんなの書いてなかった」
ダメだ。
オカンは陰謀論ってやつを信じて俺を脅してくる。
オカンがまともだった最後の日が思い出せない。