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著…中島誠之助『ニセモノ師たち』

 こんばんは。

 美術品に関心がある方におすすめの本をご紹介します。

 ホンモノ。
 ニセモノ。
 ホンモノなのに作者以外の人が勝手に手を加えてキズモノにしてしまったもの。
 誰かが勉強のためにホンモノを写したもの。

 などなど、骨董にまつわる様々なものについて書かれた本です。

 特にニセモノについて多くページが割かれています。

 ニセモノを買ってしまいやすい人の特徴や(高価なものを安く買って儲けようとしている、作品の時代背景などについて勉強不足、お金に余裕があるため真剣さが足らず審美眼が研ぎ澄まされていない、など)、中島先生自身が騙されて買ってしまったニセモノのエピソード、逆にニセモノを誤って他人に売ってしまったエピソードなども書かれています。

 ニセモノ師たちがどのようにニセモノを作るか、という手口も詳しく書かれているので、この本を読んだ誰かが悪用しないことをわたしは願います。

 また、ホンモノに作者以外の誰かが手を加えてキズモノにしてしまったものについてのくだりに、特に心が痛みました。
 
 わたしは創作物というものは作家にとっての遺言状にも似ていると考えています。

 それを勝手にいじるということは、まるで、遺言状を誰かが自分たちに都合のいいように書き変えて、故人の想いが踏みにじられてしまったような、ものすごく嫌な感じがします。

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