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著…青嶋ひろの『宇野昌磨の軌跡 泣き虫だった小学生が世界屈指の表現者になるまで』

 12歳から平昌オリンピックにかけての宇野選手の姿を追ったノンフィクション。

 わたしは「宇野選手と言えばクールなクリムキンイーグル」という勝手なイメージを抱いています。

 この本に掲載されている子ども時代の宇野選手の写真を見ると、その頃からかっこよくクリムキンイーグルを決めていることや、遥か先を見据えるようなとてもいい目をしていることに驚かされました。

 子どもの頃は「アクセルが跳べない」と泣きながら練習していたそうですが…。

 普通の子どもなら「出来ない」と泣いた時点で止めてしまうだろうに、泣きながら練習し続けたというのが凄いです。

 「才能がある」という言葉は「努力し続けられる」ことを意味するのでしょうね。

 「悔しい」「負けたくない」「出来るようになりたい」と思えること。

 そしてそれらをただ思うだけではなく、辛くても着実に練習を積み重ねて、けれどただ練習するだけではなく、「練習以外にも必要な何か」を常に模索し続けられること

 きっとそういうことが「才能」なのだろうな…と、この本に書かれた宇野選手の様子から気づかされます。

 また、これは余談ですが、2015年のシニアデビューのグランプリシリーズでボルドーを訪れて、インタビュアーから「フランスでの初めての試合はどうですか?」と質問された時、

 「いや、僕は街を歩かないので。会場に行く以外にホテルから出ないから、世界中、どこで試合をしても同じです」
(P235から引用)

 と宇野選手が答えたのに対して、

 その一年前にボルドーを訪れた町田樹氏が同じ質問に対し、

 「ボルドーのすべてが、僕を潤してくれる……」
(同じくP235から引用)

 と語った、というのが非常に興味深いです。

 わたしは宇野選手の素直な感じも好きだし、まっちーのエレガントなまっちー節も好きです。

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