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著…キャリー・ブラックマン 訳…桜井真砂美『ウィメンズウェア100年史』

 女性のファッションの変化を通して、1901年〜2000年の間に女性の社会的立場が大きく変化した歴史を学べる本。

 コルセットで上半身をギュッと絞ったドレススタイルは、ゴージャスで憧れるけれど、なんだか息が詰まりそう。

 女性が外で働くのが珍しいことではなくなり、参政権を行使できるようになると、だんだんコルセットから解放されて動きやすい服装になっていきます。

 ロングスカートのみの時代から、膝下丈・膝丈・膝上などスカートの丈の選択肢が増え、パンツスタイルも選べるようになります。

 服の種類が豊富になっていくことが、女性の生き方が多様になったということも表していると思います。

 それまでは男性の仕事とされてきたレーサー、パイロット、軍人といった職業においても徐々に女性が活躍し始めます。

 政治の舞台でも、男性のお飾りとしてではなく女性も存在感を発揮するようになりました。

 また、小麦色にやけた肌は肉体労働者の証からレジャーやスポーツを楽しむ豊かで自立した女性の象徴に変化。

 多くの女性が職業を持つにつれて既製服の消費量が伸び、アパレルブランドやデザイナーが増え、女優やモデルが広告塔になって最新ファッションに身を包み、それを見た女性が服を買うようになるなど、経済の面から見ても激動の時代だったことが窺い知れます。

 運良くそうなったのではなく、これまでの女性たちが変化を勝ち取れるよう努力してきたからそういう時代がきたのだと気づかされ、頭が下がります。

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