著…イアン・マクレラン・ハンター、ジョン・ダイトン 訳…池谷律代『ローマの休日』
こんばんは。
切ない恋の物語に浸りたい方におすすめの小説をご紹介します。
ちなみにわたしは映画版が大好きで、これまでに大袈裟ではなく100回以上は観ましたが、このノベライズ版のことも大好きになりました。
特にアン王女がとても素敵。
可憐なだけではなく、とてもあたたかい人柄なのです。
過酷なスケジュールを懸命にこなしていたけれど、ついにパンクしたアン王女が、宮殿から抜け出して、気持ちよさそうに歌い出し、それに合わせて別人が歌い出して、アン王女が「こだまだわ!」と無邪気に喜ぶシーンがとびきり可愛い。
人形劇が見たくて頑張って背伸びをしていた女の子を、アン王女が優しく抱き上げて、楽に見えるようにしてあげるシーンも心が和みます。
読んでいて、アン王女とジョーの恋を応援せずにはいられません。
けれど、二人は立場が全く違います。
一緒にいられる時間もごくわずか。
本来なら一生出会うことはなかったであろう二人の人生が、一瞬だけ交差した。
そのたった一瞬は、色鮮やかにキラキラと輝き続けています。
いつまでも、いつまでも…。
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