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著…萩尾望都『物語るあなた 絵描くわたし 萩尾望都 対談集 1990年代編』

 夢枕獏先生、森博嗣先生、氷室京子先生といった豪華作家たちと萩尾望都先生が行った対談をまとめた本。 

 お互い著名な作家同士とあって、どの方との対談からも、

 ●創作にあたっての苦労や喜び
 ●自分の作品に迸る情熱
 ●他のクリエイターへの関心

 といったことがひしひしと伝わってきます。

 わたしが特に興味を惹かれたのは、萩尾望都先生の名作『トーマの心臓』について氷室京子先生が考察しているくだり。

 「私、場面場面、全部キリスト教が背景になってて、全部それにひっかけてるのかと思ってましたよ。だって聖書と同じセリフが出てくるじゃないですか」

(『物語るあなた絵描くわたし 萩尾望都 対談集 1990年代編』 P74から引用)

 とおっしゃった氷室京子先生に、なんと萩尾望都先生は、

 「あっほんとだ!(笑) 驚き!」

 (『物語るあなた絵描くわたし 萩尾望都 対談集 1990年代編』 P75から引用)


 とおっしゃったではありませんか!

 えーっ!

 これにはわたしも物凄くびっくりしましたよ!

 わたしも『トーマの心臓』は聖書がベースになっているものだと思い込んでいたので…。

 原罪や自己犠牲も含めて…。

 あまり詳しく書いてしまうと、『トーマの心臓』を未読の方にネタバレをしてしまうことになるので、敢えてここで詳細は述べませんが…。

 物語の創造主たる萩尾望都先生ご本人が否定しているわけですから、違うのでしょう。

 偶然こうなったのでしょうか?

 それとも、知識として頭の中に入っていた聖書の内容が無意識のうちに作品として表出したのでしょうか?

 それはそれで凄い!

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