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著…神田知宏『ネット検索が怖い ネット被害に遭わないために』

 「人の噂も七十五日」だったのは昔のこと。

 インターネットを使って、誰もがいつでもどこでも全世界の人々と情報を共有出来るようになった今。

 ネット上には「真実」も「嘘」も膨大に蠢いています。

 一度ネットに載った情報は、その真偽を問わず、完全に消し去るのは困難。

 この本は、

 ●ネット上の名誉毀損(名誉権侵害)
 ●侮辱(名誉感情侵害)
 ●プライバシー侵害にあたる書き込みを削除する方法
 ●誰もが加害者にも被害者にもなり得るというリスク
 ●「忘れられる権利」

 についての本です。

 わたしは特に、「検索候補」による名誉毀損についてのページを読んで恐怖を感じました。

 例えば、

 「A社 斎藤部長 セクハラ」という単語の組み合わせで何度も検索すると、「A社 斎藤部長」と入力しただけで、自動的に「セクハラ」というワードも検索候補として表示されるようになる」
(P82から引用)

 というからゾッとします。

 この検索候補だけを見て、「斎藤部長はセクハラをしている。ネットにそう出ているから」と安易に誤解してしまう人が少なからず居そう!

 ニュースサイト、掲示板、ブログといったものに書き込まれた記事であれば、管理者に削除依頼が出来るけれど、検索候補にキーワードとしてあがってくるだけでは削除依頼を出すのも難しいので恐ろしいですね。

 検索サイトによっては、検索候補の削除依頼に応じてくれる場合もあるようですが…。

 例えるなら、公衆トイレに書き殴られた落書きレベルの悪口であっても、ネット上に書き込まれれば、誰かが「本当かもしれない。みんなに知らせないと」とか、「嘘かもしれないが面白いから拡散してやろう」と、広めてしまうリスクが高いです。

 そして広まった情報は更に拡散していく…。

 「軽い気持ちで書き込んだ」せいで逮捕される人や、ひどい書き込みをされてお店や会社が潰れてそこで働いていた人たちが困ったり、ネット上でいじめやストーカー被害にあって心を病んで自殺する人たちもいるのが現状。

 この本に、

 「ICTの進化にリテラシーが追いつかず」
(P97から引用)

 という一文がありますが、本当にその通りですね。

 技術の進歩に人間が追いついていません。

 人間がネットを利用しているのではなく、まるでネットに人間が支配されているみたい。

 ネットは賢く使えば非常に便利なものなので、マナーを守って利用したいですよね…。

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