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著…長田弘『最後の詩集』

 死の気配をさせながらも、そこに恐怖や痛みはありません。

 まるで、清らかな湖の水面に、美しい言葉が雨粒のように落ち、波紋が優しく広がっていくかのような雰囲気の詩集です。

 どの作品も素敵だけれど、わたしは特に「アッシジにて」という詩の、

 どこからきたの? 雑草と石ころが言った。
 どこへゆくの? 小さなトカゲが言った。

(著…長田弘『最後の詩集』 P49から引用)

 という部分が好きです。

 「日本の〇〇から来ました」とか、「これから〇〇へ行きます」という単純な答え方が出来ない問いだと思います。

 自分は、あなたは、どこから来たのか。

 自分も、あなたも、どこへゆくのか。

 今このnoteを読んでくれているあなたなら、この問いにどう答えますか?



 〈こういう方におすすめ〉
 美しい詩集を読みたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間くらい。

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