著…せきしろ×又吉直樹『まさかジープで来るとは』

　せきしろさんと又吉さんの自由律俳句とエッセイが交互に載っている本。

まさかジープで来るとは (幻冬舎文庫)

　交互に載ってはいるけれど、お互いに対してメッセージを送り合っているわけではありません。

　だから、不思議な読み応え。

　自由律俳句もエッセイも、日常生活のふとしたおかしさや哀しさ、人間らしい情けなさといったものが切り取られていて、とってもシュール。

　色んな光景が自然と頭に浮かび、読み返す度にクスッと笑えます。

　この本を読んでいると、ひとりでに打ち上がってはドン！　と開いてすぐ消えていく、そんな花火を幾つも幾つも眺めて「次はどんなのかな。おお、こう来たか！」と楽しんでいる時みたいな感覚になれます。

　わずかな文字数でもこれほど豊かに想像力を刺激する、言葉というものの可能性に気づかせてくれる一冊。

　〈こういう方におすすめ〉
　自由律俳句が好きな方。

　〈読書所要時間の目安〉
　１時間前後くらい。