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著…岩野響『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることからぼくにしかできないことへ』
こんばんは。
「障がい」を「障がい」としてだけ見るか、「他の人にはない才能」としてサポートして伸ばすか、について気づきをくれる本をご紹介します。
この本には、著者が15歳で焙煎士になるまでの経緯が綴られています。
著者はシャンプーや洗剤のボトルを集めたり、携帯電話を集めたり、セロハンテープを巻くことにハマったりするのを経て、美味しいコーヒーを淹れることに夢中になったそう。
まず、コーヒーを淹れる描写が素敵です。
生のコーヒー豆を一粒ずつチェックして歪なものを取り除く。
コーヒー豆を焙煎機に入れて火加減を調整。
香りや色を確認し、何時間も集中して深煎りする。
そして糸のように細くお湯を注いでコーヒーを淹れる…。
わたしはこの美しい流れを読みながら、無性にコーヒーが飲みたくなりました。
自分でささっと淹れるインスタントのコーヒーも美味しいことは美味しいけれど、誰かがこうして丹精込めて淹れてくれたコーヒーが飲みたい!
また、この本からは、好きなことにとことんのめり込む楽しさだけではなく、苦手なことはどうしても苦手だというもどかしい胸の内まで伝わってきます。
自分と周りの人との違いを直視するのって、障がいの有無に関わらず、誰にとっても辛いことですよね…。
周りの人はごく当たり前に出来ていることが、なぜ自分には物凄く大変なことなのだろう? と…。
著者は学校に行くのが辛くてたまらなかったので、高校に進学せず焙煎士になる決断をしたそうですが、著者もご家族も相当考えてのことだろうな…ということが伝わってきて、つい感情移入してしまい、正直言って読むのがしんどいページもあります。
しかし、好きなことや得意なことを見つけると世界が明るくなる、という大切なことをこの本は気づかせてくれます。
その好きなことや得意なことを「自分にしか出来ないこと」まで高める努力をした著者も素敵ですし、サポートしてくれるご家族や周りの人たちも素敵なので、是非多くの方に読んでいただきたいです。
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