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著…渋谷獏『楽園のアダムとエヴァ』

 古今東西の画家たちが『旧約聖書』にインスピレーションを受けて描いた名画をまとめた本。

 天地創造、アダムとエヴァの創造、エデンの園、禁断の果実、失楽園といったモチーフは有名過ぎるほど有名。

 しかし、同じ場面を描いても画家によってアプローチが大きく異なるのが興味深いです。

 たとえば、禁断の果実を手にしたエヴァの表情ひとつ取っても作品ごとに違います。

 何も深く考えず蛇の誘いに素直に乗ってしまった純真な少女のようであったり。

 アダムと自分は神に愛されているから禁を破っても許されるだろう…と傲慢なことを思っていそうであったり。

 急いで果実を口にしてエデンから出なければならないと思い詰めているようでもあったり…。

 アダムも、エヴァを止めようとする姿、何も考えずあっさりと誘いに応じていそうな姿など様々。

 それはきっと、画家一人ひとりの人間観が違うからではないでしょうか。

 人間とは善いものか?

 それとも悪しき失敗作か?

 エデンの園は人間にとって楽園だったのか?

 蛇は本当に悪意をもって人間を欺いたのか?

 それとも…?

 と想像を巡らせながらこの本を読んでいたら、聖書の内容にも興味がわいてきました。

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