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著…小澤亜季子『退職代行 「辞める」を許さない職場の真実』

 著者の弟さんはまだ若く健康でした。

 しかし、ある日亡くなっているのが発見されたそうです。

 ご家族はどうしても死の理由を知りたくて、弟さんが生前使っていたスマートフォンを調べました。

 すると、その中にあったのは「仕事 辞めたい」「仕事 辞め方」といった検索履歴。

 亡くなる少し前から体調を崩していた弟さんは、亡くなったその日も出社出来るよう準備を済ませていたそうです。

 なぜ死ぬ前に辞めさせなかったのか…と、ご家族に悔いが残りました。

 こうした悲劇を繰り返さないためにも退職代行は必要なサービスですよね。

 「退職くらい自分で出来るだろう。なぜ人に頼むんだ?」と思う人もいるかもしれません。

 しかし、世の中には誰かの手助けがないと退職出来ないほど苦しい状況に追い込まれている人もいる、とこの本は教えてくれます。

 責任感が強いあまり、なかなか上司に退職を言い出せなかったり。

 言えてもしつこく引きとめられたり。

 罵倒されたり。

 不利な書面にサインを求められたり。

 他の社員への見せしめの意味も兼ねて損害賠償を強要されたり…。

 様々なケースがあります。

 そういった人たちにとって退職代行は救いになりますよね。

 仕事のせいで既に過労や人間関係のストレスなどで心身が弱っている人なら尚更、そういうブラックな職場で退職手続きをするのは大変ですし…。

 しかし、中には杜撰な対応をしてお金を取ろうとする悪質な退職代行業者もいる、ということもこの本の中で紹介されています。

 代行の依頼先は吟味しないといけませんね。

 ある程度心身に余裕がないと吟味出来ないと思いますので、そういう意味でも退職の見切りは早めにつけたいものです。

 特にコロナ禍で先行きの見えない今は安易に職を失えないと思いますが、世の中には想像を絶するブラックな職場もあるのですから…。

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