著…安藤なつ、太田差惠子『弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』
生きる上で、切っても切れないのがお金の問題ですよね。
親の介護が必要になると、元々かかっていた生活費等に加えて、介護にかかるお金もかかることになります。
これは、そんな老後に関するお金や介護サービスについて、今のうちから考えるためにおすすめの本です。
メイプル超合金の安藤さんと、介護に関する著作の多い太田さんの対談形式をとった本なので、とても読みやすいです。
地域包括支援センターや社会福祉協議会の役割、介護保険申請の流れ、訪問調査を受ける時のコツ、介護サービスや介護施設の違い等が丁寧に紹介されています。
また、高額療養費制度、医療費控除、限度額適用・標準負担額減額認定証、親が認知症等になった時に家族が金融機関口座からお金を引き出せる信託商品、遠距離介護の交通費の割引制度のことといった事柄も紹介されています。
世の中には、子どもが親のために自分のお金を出すという考え方もあるとは思いますが、よほど裕福でない限り、現実的に考えるとそれは難しいですよね。
一時的に凌げたとしても、後々が大変なことになりますから。
だって、今は「人生100年時代」。
子育てと違って、介護の場合、親が何歳になったら終わるという保証はありません。
親が100歳になった時は、自分だって高齢者。
自分も医療や介護が必要な身になっているのです。
いくら生んで育ててもらった恩があるとは言っても、親のために自分のお金を出し続けていたら、自分の老後のお金が無くなってしまいます…。
しかも、今は100歳を超えている方も珍しくありません。
親も自分も105歳まで生きるのだとしたら?
ゾッとしますよね…。
きっと日本には、一般人にひろく安楽制度が導入される日はまだまだ来ないでしょうし…。
かといって、親も自分も故意に死ぬのは難しいですし…。
それを考慮すると、「いざという時」が来る前から、こういう知識とお金をなるべく多く蓄えておきたいですね。
〈こういう方におすすめ〉
親や自分の老後のために備えておきたい方。
〈読書所要時間の目安〉
1時間半〜2時間くらい。