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著…ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』

 心を強くすることは出来ない。

 けれど、心を守る方法は学ぶことが出来る。

 また、凹んだ心を回復させる技を身につけることも出来る。

 という本。

 著者は元陸上自衛官。

 だから、この本には当時のエピソードも盛り込まれていて、自衛隊の方々の大変なお仕事ぶりに頭が下がります。

 そこから伝わってくるのは、体を鍛えている自衛隊員だって心を強くするのは不可能だ、ということ。

 では、どうすれば自分の心を守ったり、回復させたりすることが出来るのでしょう?

 それにはまず、自分の弱さを知ることだ…と著者は言います。

 そうすれば休み方も戦い方も変わる、と。

 実は、「自分はダメなやつで弱い」と胸を張って言える人は強キャラです。そう思っていれば、失敗しても「まあ弱いからな」と考え、目標と自分の実力とのギャップから生じる「認知のゆがみ」を防げます。

(著…ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』Kindle版から引用)


 という言葉の奥深さにハッとさせられます。

 完璧主義者であればあるほど、自分の弱さを認めたり、他人に欠点を晒すのって難しいですよね…。

 ちょっとしたことで躓いただけで、まるで100引く1が0になるって感じで、自信が一気に0になってしまうことだってあります。

 けれど、「自分はダメなやつで弱い」と受け入れてしまえば、何かの場面で失敗をして反省をする時でも、自分を過剰なほど責めて追い詰めずにいられますよね。

 また、

 「自分はメンタル強いから大丈夫」
 「今までキツいことを乗り越えてきたから大丈夫」
 私が見てきた範囲ではありますが、そう思う人ほど休職になって、療養に時間がかかる印象がありました。つまり、「メンタルが強くなったつもり」の人が一番危ないのです。
 メンタルは筋肉みたいにはなかなか鍛えられません。強くなったと思えば思うほど、弱さを握りしめることができなくなるので、最終的には「1週間は寝なくても大丈夫」という思考におちいり、そして倒れます。常に誰かに助けてもらえるように生きてくださいね。

(著…ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』Kindle版から引用)


 という言葉にも良い気づきを貰いました。

 …わたしの知人の中にも、「僕のメンタルの強さは周りのみんなが太鼓判を押すほどです」と言ってハードワークを続けていた人がいましたが、その人はすぐ休職と退職に追い込まれる結果となりました。

 心はどんなに努力したって鍛えられるところではないし、生身の人間には限界というものがある…ということに、この本を読んで改めて気づかされました。

 また、この本には「心のスイッチ」のオン・オフといった様々なテクニックも載っていて、とても参考になるので、興味がある方は是非読んでみてください。

 「筋肉は裏切らない」はいい言葉です。
 でも、関節は裏切り、脂肪は寄り添い、髪の毛は去り、目はぼやけます。
 かなしい。

(著…ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』Kindle版から引用)


 という文も面白かったです。

 チックショー! って言いたくなりますね。



 〈こういう方におすすめ〉
 「鋼のメンタルが欲しいのに、傷つきやすい。どうしたら良いのかな…」と悩んでいる方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半〜2時間くらい。

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