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写真・文…武藤慧『猫の哲学ノート ニャフォリズムの落書き』

 猫って奥深い生き物ですよね。

 一言では語れない多面的な魅力があります。

 なにものにも縛られぬ孤高の存在にも見えるし。

 世の中の移ろいを繊細に感じ取るナイーブな生き物にも見えるし。

 人間の愚かしさも小賢しさも静かに観察している哲学者にも見えるし。

 もふもふで可愛くそして美しい容姿とは裏腹に、鋭い爪と牙を持つ獣でもあるし。

 何か深いことを考えているようで実はぼーっとしているだけのようにも見えるし。

 この本は、まずニーチェやサン・テグジュペリといった著名人の言葉を猫の写真に添えることで、まるで猫が哲学者であるかのように見せます。

 読者がページを捲ると、今度は前のページと同じ猫の写真にユニークな言葉を添えてあります。

 猫の多面性を感じさせる面白いつくりの本です。

 わたしが特に気に入ったのは以下の流れ。

「われわれはまあこの世に間借りしているようなもので、何もむきになることはない」
(庄野潤三 日本)

「ムキになれとは言ってないさ。ショバ代を払えと言っているのさ」
(モトジメ 世田谷区)
(『猫の哲学ノート ニャフォリズムの落書き』から引用)

 という流れ。

 猫様〜!

 この世を間借りするショバ代として、人間は猫様に何を捧げれば良いのでしょうか?

 モンプチ?

 それともちゅーる?

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