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著…森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』

 ゆる~い森見登美彦作品の中でも、特にシュールな小説。


 あらすじは以下の通り。

 かわいい狸のお面をつけ、マントに身を包み、京都の街で大活躍する正義の怪人・ぽんぽこ仮面が引退を決意した。

 ぽんぽこ仮面は、自らの跡継ぎとして小和田くんを指名。

 でも、小和田くんはぐうたらするのが唯一の生きがい! と言わんばかりの青年。

 小和田くんは正義の味方になんてなりたくありません。

 休みの日はひたすらゴロゴロしていたいから。

 果たしてぽんぽこ仮面は小和田くんをうまくやる気にさせて、跡を継いでもらえるのか!?

 …というストーリー。



 登場人物がやたらと多いので、読み手としては彼らのことを把握するのに一苦労なのですが、彼らときたらみーんなのん気なものです。

 ぽんぽこ仮面の前に立ちはだかる団体の名前も、「大日本沈殿党」、「閨房調査団」、「テングブラン流通機構」、「土曜倶楽部」、「日曜倶楽部」、「月曜倶楽部」など面白いものばかり。

 もしわたしがこの小説の世界に異世界転生したら、「世界もふもふ党」を立ち上げて、世界中の党員みんなでお気に入りの生き物を愛でて国際交流することを通して世界平和を目指したいです。

 また、

 「眠れ、小和田くん。眠れ。主人公だから頑張らなければいけないなんて、いったい誰が決めた?」
(『聖なる怠け者の冒険』から引用)

 と、作者の森見登美彦氏自身が書いていることにも、わたしは良い意味で脱力させてもらいました。

 …め、目から鱗が100枚くらい落ちそうなセリフ!!

 作者の存在感が凄い…。

 わたしは悩み事がある時に度々、この小説を読み返しています。

 読んでいると、悩んでいる自分が何だかあほらしく思えてくるから。

 ガチガチに凝り固まった頭をふにゃふにゃにほぐしたい人におすすめの小説です。

 なお、森見登美彦氏の小説『宵山万華鏡』と『有頂天家族』とこの『聖なる怠け者の冒険』は水面下で繋がっているそうです。

 わたしもそのうちに他2作を読んでみたいです。

 …え? そのうちに、じゃダメ?

 …否!

 「いつやるの?」と言われたら、わたしは「後でしょ!」と答えたい!

 小和田くんのぐうたらが伝染りました!←小和田くんのせいにするな!

 さあ、内なる怠け者に乾杯!

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