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ライター。有機農業・食材・ダイエットなどの本を書いています。おいしいものとビールが大好…

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ライター。有機農業・食材・ダイエットなどの本を書いています。おいしいものとビールが大好き。

最近の記事

相続放棄申述をした素人の豆知識

母が亡くなり、わけあって相続を放棄することになった。 ・相続と言っても3種類ありまして 一般的に親や配偶者の遺産を受け継ぐことを相続と言う。遺産には財産だけでなく負債も含まれていることがある。したがって、うっかり相続して負債額のほうが大きくてビックリ! なんてこともよくある。使ってしまうともう「相続した」と見なされ後戻りができなくなるので、負債には注意しなくてはならない。 負債があることがわかっていてそれを受け継ぎたくない人には「遺産の相続を放棄する」という法的な手段が

    • 直葬(火葬儀)・樹木葬という昨今流行の弔い

      母が亡くなった。 かねてから「通夜・告別式は必要なし」「戒名も位牌も墓もいらない」と言っていた希望どおりに母を弔うことになった。昨今そう希望する人が多いと聞くので備忘録として書いてみた。 1.葬儀社・火葬式選択 深夜3時半、妹から「母が亡くなった」という連絡が入る。すぐに飛行機のチケットを取った。その日の午後着の便を予約し、葬儀社決定までは妹が担当。到着時にはすでに母は葬儀社に移動し「火葬式」をお願いすることになっていた。 当初考えていた一番安価な火葬式のプラン1

      • 「葬儀必要なし・散骨希望」と言われた娘的に考えたこと

        娘のころから死んでも墓には入りたくないと思っていた。暗い地下の穴蔵のようなところに入れられたら閉所恐怖症のパニック発作が起きそうだからだ。かりに骨であっても、だ。 漠然と、散骨がいいなと考えていた。法的に縛りがあったと記憶していたが、調べてみたら粉状になっていれば散骨OKらしい。最近は業者も増え、墓に入らない・入りたくない人々が多いということだろう。両親も数十年前は墓がどうとかこうとか言っていたが、最近散骨してほしいと言い始めた。おっ! いいですね! 娘的には諸手を挙げて賛

        • 「野菜は安くなければならない」という呪い

          野菜が高い。 ここ十年あまり、家庭菜園で果菜類と冬場の菜葉類をほぼ自給していて野菜の価格に鈍感なのだが、先日成城石井でブロッコリー1個580円という価格を見てさすがに驚愕した。 産地の切り替えがうまく行っていないのか、はたまたこの暑さと大雨で苗がやられた・生育が進んだ・病気が出て早く終わったなどが原因だと思うが、それにしても580円。初めて見たぞ。 いつでもなんでも売っている昨今だが、本来、関東の平地ではブロッコリーの栽培適期は秋から冬だ(最近は春もOK)。夏は高原とか

        相続放棄申述をした素人の豆知識

          初コロナ感染につき次回感染への備えについて書いてみた

          DAY・0 8月30日、6時に起きたら左側の喉に痛みがあった。こういう痛みが出るときは熱が出る。熱が出ると家事ができなくなるので、洗濯、ネコの世話、発熱後に食べるおかゆ用にごはんを炊く。9時には38度になっていて、外に出るのがむずかしくなった。 簡易検査キット(唾液)で検査し「陰性」だったが、唾液は精度がよくないと後で知る。が、陰性なのでインフルエンザかもと思った。インフルエンザなら治療薬があるからさっさと病院に行き検査をしてもらえば良かったのだが、時すでに遅し。発熱した人

          初コロナ感染につき次回感染への備えについて書いてみた

          「規格外野菜」をめぐる消費者と農家の間の暗くて深い溝の話

          規格外の野菜を売ってもらえれば、農家も捨てずに済むし消費者も安く買えてうれしい」みたいな話を聞くことがある。 野菜は工業製品ではないので、市場やJAの出荷規格に合わないものが一定程度できてしまう。20年くらい前の話だが、1反(10a)に5000本大根をまくと正品が4000本(有機だからロス率高し)、1000本の規格外品ができる前提で一本いくらという計算をしていた。正品が多ければ儲かり、台風にやられて半分しか収穫できなければマイナスだ。規格外品は加工に回したり畑にすき込んだり

          「規格外野菜」をめぐる消費者と農家の間の暗くて深い溝の話

          「有機野菜は慣行栽培の野菜よりもナントカ」という主張について思うこと

          「有機栽培の野菜は慣行栽培(一般的に栽培されている野菜)の野菜よりも栄養価が高く安全」というような言説があり、それを信じている人たちがいる。 自分自身、有機野菜の販売をしていた頃は「きっとそう」と信じていた。が、実際には「変わりありませんから」という論文ばかり見るし、英国で「変わりないからそういった優位性を申し述べないように」みたいな注意喚起がなされたりしたこともあり、現在では自分自身も「とくに変わりないわよね」というところで落ち着いている。 実際に何が違うのか? と言わ

          「有機野菜は慣行栽培の野菜よりもナントカ」という主張について思うこと

          軽い、かわいい、ウキウキする曲げわっぱのお弁当箱😆

          曲げわっぱを買った。 長い間わたしは弁当箱をとくに使わず、ラップに包んで冷凍したごはん+小さなタッパーに詰めたおかずという雑な弁当を作っていた。食べるときにごはんをレンジであっためるのだが、職場でこのように雑な弁当を持ってきている女は他にいなかった。しかし大人になり、おばさまがたくさんいる今の職場でその雑な弁当は良くない気がしたため、ここ数年はちゃんとしたお弁当箱にごはんとおかずを詰めてふつーのお弁当を作っていた。のだが。 プラスチックのお弁当箱ではごはんがガッチリと固ま

          軽い、かわいい、ウキウキする曲げわっぱのお弁当箱😆

          時代を超える調理器具、おひつの話

          おひつを買った。 わたしは昭和38年生まれなのでおひつごはんを食べていそうだが、よく考えるとおひつのごはんを食べるのは初めてだ。わたしの家にはおひつはなかったし、祖母の家にも子守をしてもらっていたおばちゃんの家にもなかった。 昭和40年代、ちょうど電子ジャー炊飯器という、炊飯器と保温器が合体したすんばらしい家電製品がデビューし、実家も祖母の家もすぐに導入した。ごはんの保存は炊飯器に入れたままでOKになったから、おひつは必要なかったのだろうと思ったが、実はそうではないよ

          時代を超える調理器具、おひつの話

          首のシワも顔のたるみもすべてエストロゲンのせい

          60歳になり、顔とか髪の毛とか手足とかにいろいろな変化が起き、目に見えるようになった。健康診断の結果でも「うへえ」と思うことが多くなり、しみじみと女性の身体の不思議について考えたりする。また母なる自然の意地の悪さについても考える。なぜなら女性の体は閉経とともに急激に衰えるようになっていて、ほぼコントロールが効かないからだ。原因はエストロゲンの減少にある。肌がたるむのもシワが増えるのもLDLコレステロール値が上がるのも、全てエストロゲンの減少のせいなのだった。 エストロゲンは

          首のシワも顔のたるみもすべてエストロゲンのせい

          ヒトはパティシエに向いているものと向いていないものに分かれる

          お菓子をつくるのが好きだ。自分の好きなバターや小麦粉を使って自分好みのケーキやクッキーをつくるのが好きだ。わたしはエコババ(※)なので、国産の小麦粉や平飼卵を使い、ベーキングパウダーを使わず、卵白の力のみでケーキをふくらませたい。ベーキングパウダーはお菓子の味をじゃまする気がするし、化学物質のちからでケーキをふくらませるなんて邪道だ。なんてことを10数年前までやっていた。その結果、何ができたか。 卵白をどんなに泡立ててもぺしゃんこになるスポンジケーキやレンガのようなバターケ

          ヒトはパティシエに向いているものと向いていないものに分かれる

          他人のにぎったおにぎりを食べられない問題

          10年ほど前、夫がふとつぶやいた。 「他人がにぎったおにぎりってさあ、食べられない、というか食べたくないよね」 ええーそうなの? 全然気にしたことなかったな。よく聞くと、他人というのは家族以外という意味で、妻と母のおにぎりは食べられると言う。なんで? と聞くと彼は少し考えて「信頼かな」と言った。へーそんなもんか、とそのときは思ったのだが、数年後のある日、自分も他人のおにぎりは食べられないと思っていることに気がついた。 仲良くしているマダムの家でおひるごはんをごちそうになり

          他人のにぎったおにぎりを食べられない問題

          華麗なる「加齢力」について語ろう

          50代後半からなにかこう、思いもよらない力がついてきた気がする。加齢によって自然に身についたその力を「加齢力」と名づけたい。昔「老人力」というのがあったが、当時は若くてその本は読まなかったし、言葉がジジクサイからキライだ。華麗な力なので加齢力、いいんじゃありませんか? さて加齢力とはどんなものか。主に「できないことが力になる」的な事柄で、さまざまなことを「べつにどうでもいい」と思える力である。そんなんカンタンだもんねとか思うかもしれないが、人はさまざまことが気になるものだ

          華麗なる「加齢力」について語ろう

          なぜ、今、昆虫食なんだという素朴な疑問

          人間が食べられないものを食べ、乳や肉などの資源に変えてくれるもの、それが家畜だ。牛は草を食べて乳や肉に、馬は乗りものにも肉にもなる。家鴨や鶏、豚も、虫や雑草や残飯を卵や肉に変えてくれる。その生命を人間はありがたくいただき、大いに繁栄してきた。 現代の牛や豚、鶏などの家畜たちは人間の食べものを食べている。より早く大きくして肉や乳を出し、卵を産ませるためには、エネルギー源として効率の悪い草よりも穀物を食べさせたほうがいい。また穀物は食味も上げてくれる。現在、家畜の飼料はほぼ穀

          なぜ、今、昆虫食なんだという素朴な疑問

          山菜採りと狩猟採集時代のDNA

          子どものころ、近所の土手でツクシを採ったり、親戚のおばちゃんがワラビ採りにつれてってくれたりしたが、採るのは好きでも食べるのはキライだった。「山菜、いいですねえ~、も~、タラの芽の天ぷらサイコーです!! あ、日本酒おかわり~」なんて言うようになったのは30歳過ぎてからだ。食べるのは好きでも山菜採りの経験はなく、わたしと山菜の付き合いは居酒屋限定だった。 一度だけ、青果物の仕入れ担当をしていたころ「山菜を出荷したい」と言われたりんご農家の山で、山菜採りをさせてもらったことがあ

          山菜採りと狩猟採集時代のDNA

          グレーヘアと名前を変えても白髪は白髪

          56歳のとき、60歳になったら白髪染めをやめようと決意した。白髪染めにかける経費と時間がムダな気がしたからだ。一ヶ月に一度2時間、ラップをかぶってジッとしていなくてはならない。36歳のときからヘナで染め始めて20年、なんと480時間もわたしはラップをかぶってジッとしていた。なんというムダ。英会話の勉強でもすればいまごろペラペラだったかもしれないのに。いや、しなかったかもしれないが。 なぜわたしは白髪を染めなくてはならないと考えたのか。母は白髪を染めていたし、白髪染めしていな

          グレーヘアと名前を変えても白髪は白髪