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街とその不確かな壁

今回書いていくこと

こんにちは、こんばんは、なきおです。

今回は、村上春樹さんの新作である「街とその不確かな壁」について書いていこうと思います。


購入理由

村上春樹さんの作品、とりわけ世界観がとても好みで

新作が出たときにはすぐ買いたいと思ったから、購入。

あらすじ

その街に行かなくてはならない。なにがあろうと――〈古い夢〉が奥まった書庫でひもとかれ、呼び覚まされるように、封印された“物語”が深く静かに動きだす。魂を揺さぶる純度100パーセントの村上ワールド。
(Amazon.co.jp: 街とその不確かな壁 : 村上 春樹: 本より引用)

感想(ネタバレあり)

基本的には’街’について書かれている。

そこには高い壁があり、抜け出すことは難しい。

また、そこでは人々は影を持たない。

影を持たず、ただ淡々と過ごしていくのみ。

それでいいのか。

といった話が趣旨だと思う。

壁にいる自分も現実にいる自分も本当の自分であり、そうではないのかも知れないということを思った。

文章は、描写がとても丁寧に描かれており、余計な言葉が削ぎ落されており、より文章が洗練されていると感じた。

ただ、650ページ以上あり、話もあまり進まない部分もあったことから

読み切るには苦労がいるなという印象。

こんな方におすすめ

・村上春樹さんの作品を読んだことがある方。(世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドが好きな方にはよりおすすめ)

・逆に読んだことない方。
→文章自体はこれまでの作品で飛び抜けて読みやすくなっているから。
また、これまでは理解が難しい内容もあったが、今作はそれが少ないという点でもおすすめできる。

印象に残った言葉

・「しかしその沈黙は少しも苦痛ではない。私はむしろその沈黙を歓迎したかもしれない。沈黙は記憶を活性化させてくれたから。」(p64より)

沈黙は創り出すべきでない時間だ。創ることがないようにどうでもいいことを相手に聞いて、その場を作らないといけないと思ってしまいそうになると思うが、この言葉を読むとむしろ沈黙が思い出を紡ぐための大事な時間となり、僕たちを作ってくれるのかなと思わさせたから。




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