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亀井聖矢×重森光太郎「ロン・ティボー国際音楽コンクール ガラ・コンサート」_2023年3月1日

昨夜、「ロン・ティボー国際音楽コンクール ガラ・コンサート」に行ってきました。
ピアノは2022年に同コンクールで第1位を受賞した亀井聖矢さんと、第4位を受賞した重森光太郎さんの出演。

先日観たばかりのオペラ「タンホイザー」の序曲を重森光太郎さんの演奏で聴くと、繊細な箇所まで美しく蘇り、とても誠実に弾いていらっしゃることが伝わってきました。

亀井聖矢さんのピアノはとにかく音のもつ色彩が多く、うねりとともに心が旅をするように聴きました。

ベッリーニ/リスト編:「『ノルマ』の回想」では、夜の砂漠で透明な月を見つめているような、わずかな不安をともなう静寂を味わったかと思えば、動乱の中を駆け抜けるようにも感じました。

2幕は東京フィルハーモニー交響楽団と各ピアニストの共演。
重森さんのチャイコフスキーも美しくて心が踊ったのですが、特筆すべきは亀井さんのサン=サーンス「ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 作品103『エジプト風』」で、「すさまじい」としか言いようがありません。

複雑な色彩の中でも曲の旋律は明確で、まるで緑に溢れる丘から水平線に船を望むようであったり、いたるところで色彩が煌めき、爆ぜているようであったり。音により湧きつづけるイメージの中を、無我夢中で飛翔するように聴きました。

とくに「第3楽章 モルト・アレグロ」は圧倒的な音と光を浴びながら、その中で確かに歌う演奏に時間が経つのも忘れて聴き惚れました。

永遠のようにも一瞬のようにも感じるピアノを体験できたことで、私の人生にも何かの幕が開いたかも知れません。

日本だけでも、辻井伸行さんをはじめ好きなピアニストは数々いるのですが、藤田真央さんや亀井聖矢さんは、この先も聴きながらともに演奏会を巡り、演奏に起こる数々の変化を現場で体験したいと強く思う、すばらしい奏者だと確信しました。

(演奏会後、深夜のパフェも最高でしたー!!! )

<プログラム>
ワーグナー/リスト編:歌劇『タンホイザー』序曲(ピアノ:重森光太郎)
ベッリーニ/リスト編:「ノルマ」の回想(ピアノ:亀井聖矢)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(ピアノ:重森光太郎)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 作品103「エジプト風」(ピアノ:亀井聖矢)

演奏会後、深夜のパフェも最高でしたー!!!

指揮:佐藤俊太郎
ピアノ:亀井聖矢、重森光太郎
東京フィルハーモニー交響楽団

【ききみみ日記】
★今回で投稿108回目になりました★
オペラ・クラシック演奏会の感想をUPしています。是非お越しいただけますとうれしいです。
(2022年10月10日~2023年1月15日まで101回分を毎日投稿していました)



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